2019/02/24(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「大往生〜わが家で迎える最期〜」[字]
今 もいでもらうわけにいかないから。
じゃあね。
分かった。 それじゃあ また この次いつ来るか また 連絡するよ。
どうも失礼します。
私 うどんでも食べようかなと思って…。
広美さんは 一人で
うどんも作れるようになっていました。
お待ち遠さま。
おっとっとっと…。
はい そこ。
はい ありがとう。
千加三さんは このころ 食事が
ほとんど喉を通らなくなっていました。
広美。
≪は~い!
あっ お父さん 何?
おなか いっぱい?あらま。
あれ おなか いっぱいになっちゃった?
あっ 本当? じゃあ…。
うん 私もね 自分の分 よそったの。
ハハハ…。じゃあ また 夜ね。
かたくなかった? うどん。
おいしかったよ。
おいしかった?
うん。
あっ よかったです。
お父さん 暑い? 暑い?
何で?
いや 布団めくってたからね。
あっ そっか。 ごめんね。
あっ ごめんなさい。おしっこしてるそうです。 ごめんなさい。
はい ありがとう。
盲学校で学んだマッサージで寝たきりの体をほぐします。
なかなか お父さん また痩せたね。
筋肉が なんとか戻ってくればいいんだけど。
103歳の星野君子さんは
認知症が進んでいました。
ほう… 言い張るから…。
盗んだとか そういうことにはならない?
お前が どっかなくした。
ああ そうね。
介護する家族の疲れは
以前よりも 更に増しているようでした。
おはようございます。
おはようございます。
えっ? まったく問題ない すごいな。
この日は担当のケアマネージャーも来ていました。
小堀医師は 今は 家族の疲労をとることが
大切だと感じていました。
あの… もうちょっと
家族に楽させようと思うんだったら→
ショートステイですよ 今度は。
ああ。
1週間とか。
ああね。うん。
つまり デイサービスを
例えば 月 水 金とやったら→
3週目は1週間 向こうに泊まるわけ。
ああ 泊まるの。
うん。 そしたら 家族は
その間 温泉にも行けるしね 例えば。
でもね それは 今度…
こりゃ 駄目ね。
ああ そうですね。
そりゃあ そうですよ。
ありがとうございます。
いえいえ。
ありがとうございました。
ありがとうございました。どうも ご苦労さまでした。
君子さんのショートステイは
その後 何度か繰り返されました。
そして 自宅での介護を諦め
施設への入所が決まりました。
しかし そのことを家族は
君子さんに伝えられていませんでした。
いえいえ。 しばらくは あれですね
お世話できませんね。
お泊まりの場所は
もう慣れ親しんだ場所でしょ?
覚えてらっしゃいます?
あんまり記憶にない?
まあ それはね あの~ 全て
いいとこってわけにはいきませんがね。
君子さんは 自分のおかれた状況を
分かっているようでした。
もう一生懸命ね…。
お互いが…
そうですね お互いに生きてる間は…。
いや どうも こちらこそ よろしく。また 参りますから。
またね お目にかかりますから。
ありがとうございます。いいえ どうも…。
施設に入所する朝。
ハンカチ置いてきちゃったかも。
あった? もう入れたっけ?
うん 入れた かばんに。
君子さんが入るのは これまで
ショートステイで何度も通った施設です。
しかし 今回は戻る予定はありません。
星野さん。 行ってらっしゃい。はい どうも。
じゃあ 行ってまいります。