2019/03/02(土) 16:00〜16:50 NHKスペシャル選 大江戸 第2集「驚異の成長!あきんどが花開かせた“商都”」[字]


わしは まさに武士相手の商いをし→
この伊勢屋を 必ずや→
日本橋で一番のかつお節屋にしてみせる。
あの時代に とても珍しく…

伊勢屋はある大物に狙いを定めます。
加賀100万石の大名 前田家です。
江戸屋敷は現在 東京大学のキャンパスになっています。
伊勢屋は 加賀藩の
出入り商人の座を狙って→
巧妙な策を巡らします。


ここにですね仁兵衛という人がいたと。
そしたら…
伊勢屋は 仁兵衛という加賀藩の出入り商人に→
お金を貸し
返せなくなったと見るや→
出入りの権利を譲らせたのです。
あ~ すごいなあ…。
チャンスだったんでしょうね。
チャンスがあって…。
伊勢屋が商売を始めた
加賀藩の江戸屋敷は→
東京ドーム7つ分もの広さ。
3千人が暮らすまるで 一つの町でした。
屋敷跡の発掘調査から→
大名たちの暮らしぶりが見えてきました。
<収蔵庫には 出土品の箱が
2万も並んでいた。→
すごいお宝があった>
瓦ですか?金箔の瓦ですね。
これ 金箔ですか?
<屋敷が金色に輝いていたって事か。→
こっちは 食べ物関係>
たくさんの この貝類が出土してるんですけど…。
相当大きいですね これは。
<大きなアワビ。ぜいたくだなあ。→
この伊万里焼の皿に載せて
宴会をしたのかなあ。→
記録を見ると
こんな料理を→
9,000人分も

用意したらしい。→
大名とはいえ 豪勢だ>
まあ 何て言うんですか必要経費というふうに→
解した方が
分かりやすいと思います。
こういったものを維持しないと
いけないっていうような事から→
そこは…
加賀藩は 支出のおよそ半分→
今のお金で 年間60億円もの大金を
江戸で使っていました。
この巨大な大名に 初代 伊勢屋は
食い込んでいきます。
伊勢屋は
加賀藩との商いで急成長します。
僅か1代で8千両。
10億円ほどの資産を築き上げました。
大名家の旺盛な消費→
いわば 大名バブルがもたらした好景気。
豪華けんらんな
元禄文化が花開きます。
歌舞伎や相撲など
今に続く江戸の文化も→
育っていきます。
同時に バブルのあだ花も目立ち始めます。
もうけた金をばらまく商人の図。
平成バブルにも似た浮かれようです。
江戸建設を担った
大名たちの経済力だったのです。
絶好調だった伊勢屋を

突然 不幸が襲いました。
初代 伊勢屋伊兵衛が
亡くなったのです。
残されたのは まだ若い息子たち。
一家は 信頼する同業者万代屋を頼りにします。
あるじの遺言どおり→
万代屋さんに2人の後見をお願い致します。
お任せ下さいませ。
大名相手の商いで成り上がった初代の死。
それは 一つの時代の終わりを
告げるものでした。
このころ 江戸の経済に
激震が走ります。
物価の急激な上昇に
年貢の収入が追いつかず→
財政が行き詰まったのです。
多くの大名が 商人からの借金を踏み倒しました。
伊勢屋 滞り金
およそ1,000両 打ち捨てじゃ!
伊勢屋も 踏み倒しに遭い→
大名頼みだった経営は一気に傾いていきます。
追い打ちをかけたのが
あの万代屋でした。
何とぞ 何とぞ!
何とぞ 伊勢屋の御用この万代屋に!
その方 伊勢屋のせがれの
後見でもあると聞くが…。
手前どもは江戸のあきんど。
全ては この万代屋が日本橋で生き抜くため。
何とぞ!