2019/03/02(土) 16:00〜16:50 NHKスペシャル選 大江戸 第2集「驚異の成長!あきんどが花開かせた“商都”」[字]


あっ あっ マスター憑依は もういいわ。
あっ そう?
これは まさに 江戸の庶民経済が花開いた証しね。
確かに。
町人中心の豊かな経済が花開いた江戸の町。
しかし 急速な経済成長による
ひずみが生じ始めていました。
この日 伊勢屋に
因縁の相手が現れました。
お願いします!
少しだけでも貸して下さい。
3代目 こんなやつに

貸す必要ねえですよ。
伊勢屋から取引先を奪った
万代屋の息子でした。
店も潰れて 住む家もなくて…。
ざまあ見やがれ。
商いに失敗して 蓄えを失い
借金を求めてきたのです。
このころ 江戸の町には
豊かな者と貧しい者との→
貧富の格差が広がっていました。
3代目!
ありがとうございます!
伊勢屋の日記には→
「一日に87人への施しをした事も
あった」と→
記されています。
(雷鳴)
この格差社会が


更に悪化する事態が起こります。
東日本が 灰で覆われます。
そのため起きた…
餓死した人は 10万人とも
100万人ともいわれます。
農村で追い詰められた人々は
江戸に流れ込み→
格差は更に広がります。
そして…→
打ちこわしが起こります。
あ~ おやめ下さいまし!おやめ下さいまし!
手荒な事だけは…!
うるせえっつってんだ!
あっ あっ あっ… お願いです!
おやめ下さいまし!
富を蓄えた商人を
食い詰めた人々が襲い始めます。
5日間で
江戸の店 1,000軒が破壊され→
米や財産を奪われました。
この江戸経済を襲った危機も伊勢屋の日記に記されています。
「江戸中の売買が停止した」。
「人々の心はぬす人となってしまった」。
…という打ちこわしが
勃発しちゃった訳ですね。
非常に危険な状態
危機が生じた時に…
江戸に打ちこわしが起きた
この年→
同じように 格差による危機が

訪れたのが フランスです。
貧困にあえぐ
多くの市民をよそに→
国王や貴族は
優雅な生活を続け→
手を打ちませんでした。
そして…。
市民の蜂起で
200年続いた王朝は倒れ→
国王はギロチンにかけられました。
このフランスと同様→
江戸は いつ体制が崩壊しても
おかしくない状況でした。
それこそが 江戸の経済成長
第3のカギでした。
江戸の大商人たちは
格差解消に取り組む→
町会所という組織を結成。
運営を開始します。
地区ごとに金を集め
米などを買い→
貧しい人に分け与える仕組み→
いわば 江戸のセーフティ・ネットを作ります。
町会所が運営した米蔵の図面です。
50メートルもの巨大な蔵が→
江戸の各所に
30以上 建てられました。
中には 貧しい人々に配る米俵。
50万人が 半年以上食べ続けられる膨大な量を蓄えました。
費用の負担も運営も

大商人が中心となり行いました。
町会所の救済の記録です。
(秋山)「御救願上候帳」というそういう帳面になりますね。
例えば
この親子3代の貧しい一家。
お救いとして 半月分の食料と→
生活費9万円ほどが支給されました。
江戸の豊かな商人たちは
貧富の格差を解消するため→
自ら多額の負担をしていたのです。