2019/03/04(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「サグラダ・ファミリア 未完の傑作」[二][字][再]
技術的な難問が いくつもあります。
計画では 塔は 階ごとに建てられ
各階は あらかじめ組み立てられた→
4つの塔では 内側に
らせん階段をつくりながら→
建てていかなくてはなりません。
大きな塔には 精巧な石の装飾と美しい ステンドグラスが施されます。
チームは ガウディ没後100年の
2026年までの完成を目指しています。
まず必要なのは 建築資材である
石材の調達です。
ガウディの時代には 近くにある
「ムンジュイック採石場」から→
切り出した石を使っていました。
ガウディの世界観を守らなければなりません。
建築が始まったころと
同じ壁面をつくることを目指しています。
近くに寄ると
それぞれ違った色に見えますが→
離れて眺めると 全体で統一された色に
見えるようにするんです。
ブラジルから 青い石。
イランから 赤い石。
イギリスから
茶色と黄色の中間のような色をした石。
といった具合です。
この採石場から 毎週300トンを超える石がサグラダ・ファミリアに送られています。
サグラダ・ファミリアを完成させるには
私たちが提供する石の質が→
建てることはできません。
崩壊してしまいます。
内部に ほんの僅かな亀裂が入っただけで
悲惨な結果を→
もたらすことになるからです。
その裂け目を うまく利用して切り出すのがコツです。
ここを切り出すのね?
ええ あっちの石と合うようにします。
プレッシャーをかけるつもりはないけど
全ては 彼の肩にかかっています。
ダメージを与えることはありません。
大きな爆破とは違います。
これを きれいにやってのけるのが
腕の見せどころです。
爆破によって 10トンの石が
切り離されました。
この石を慎重に岩肌から離します。
アームストロングたちは 全部でおよそ12万トンもの 完璧な石材を→
急ピッチで進めていますが
精密な作業ですから→
そうは急げません。
世界有数の巨大建造物に石材を提供しているんですから。
技術責任者のフェルナンド・ヴィラは
石材一つ一つの強度をチェックします。
サグラダ・ファミリアは
永久に残る建物です。
これらの石材が それに見合うものか
確かめるのが 私の仕事です。
ヴィラたちは 石材からサンプルを
取り出します。
このテストでは 石のサンプルに
荷重をかけます。
塔に用いるには 最低でも 15トンの荷重に
耐えられなくてはなりません。
圧縮試験機で 強い圧力をかけていきます。
この小さな石が 30トンの力まで耐えました。 驚きです。
これなら 塔が崩壊するなどありえません。
石は テストに合格しました。
その答えを得るためには
3年以上の年月が必要でした。
塔の高さと寸法が
全くの謎に包まれていたからです。
残されたヒントは 僅かでした。
物理の法則に逆らうかのようなデザインです。
聖具室には 6つの高い塔に関する
ヒントが隠されています。
建築家のエステーベ・アンベルトは
その秘密の解明に取り組んできました。
灰色のパーツは
オリジナルの模型のものです。
聖具室は教会の西側に位置し 現在
建築チームの拠点として使われています。
ガウディが サグラダ・ファミリアの建築に
取り組んでいた時→
主な弟子が 4人いました。
ガウディは 弟子たちに 聖具室を 中央の塔の原型とするように伝えていたのです。
中央の塔の寸法に関するヒントは
小さな聖具室の構造に隠されていました。
そこで アンベルトは
コンピューターの3Dモデルで→
聖具室の構造を再現しました。
中央の塔は 聖具室の構造を拡大したものです。
つまり 拡大しただけで
構造の比率は同じだといえます。
中央の塔を設計しました。
研究によって 6つの塔の設計計画は固まりました。
しかし それを実際につくるには
多くの技術的な課題が→
待ち受けていました。
スペイン カタルーニャ地方。
ここでも 塔が つくられています。