ですね。
>>娘はどこへ行ったのか。
震災から6年がたとうとしていた2016年12月。
浜辺に積まれたがれきの山から、
あるものが見つかった。
汐凪ちゃんが震災当日、
身につけていたお気に入りのマフラー。
そこに包まれるようにして、
小さな首の骨が出てきた。
>>ここの土手の下辺りで見つか
ったんですけど。
>>自宅からは僅か200メート
ル。
なぜもっと早く見つけてあげるこ
とができなかったのか。
みずからを責め続けた。
>>津波でそうなったのはもちろんなんだけど、
原発事故によって
ここに取り残さざるをえない状況になった。
やっぱね、
あのとき、
俺だけここに残って探してればよ
かったなという気持ちも消えない
ですね。
>>これまで出てきた汐凪ちゃん
の遺骨は、全体の2割程度。
残るすべての遺骨を見つけようと、捜索を続けてきた木村さん。
しかし、
震災から8年を迎えるのを前に、
心境にある変化があった。
>>たぶんね、
汐凪は人が来なくなるのがさみし
いんだと思うんで、
だから出てこないのかなと思って
て。
見つかんないことが、
これからもずっと通ってよって、
たくさん人連れてきて、
みたいなね、そういうことなのかなと思って。
>>木村さんの自宅跡や農地も、
中間貯蔵施設の建設予定地となっているが、
土地を国に譲るつもりはない。
この場所で、
1人で眠る娘が寂しくないように。
木村さんは、
汐凪ちゃんが好きだった菜の花を
植えた。
>>汐凪ちゃんはお父さんのナノ
ハナをどんなふうに見られてます
か?
>>笑って見てんじゃないですか。
やっぱりここにあることで汐凪を
感じるんで、
そういう意味では、
唯一やっぱり汐凪とつながれる場所。
自分の土地は売る気も貸す気もな
いと。
>>原発と共に歩んだ日常は、
原発によって奪われた。
8年を迎える新たな一歩には、
ふるさとへの思いが詰まっている。
>>ふるさとだけど戻れない人。
でも原発があるからこそ、
戻れる人。
8年たっても答えが出ない、
円さん、
現実があるんですね。>>なんか、胸が痛いですね。
とにかく汐凪ちゃんのご遺体とい
うかね、
それをずっと捜し続けるんだけど、
なかなかそれが見つからなかったときね、
その気配であったり、
匂いであったり、
そういったものまで捜してね、最
後はなんというか、
汐凪ちゃんのそば、
そういったものまで感じる、その親心といいますかね、
娘に対する気持ち、これがね、
なんともいえない、
その原発事故の、
どういうのかな、
いえば、
残酷さをストレートに感じますね。
>>ことしの春から一部、避難指
示が解除されて、高岡さん、
一歩を踏み出します。
>>東京電力の寮が出来てるっていう話がありました。
あれはもう、
国からすると現実的にやむをえないということなんだと思います。
つまり住民がいないと、税金が取
れないんです。
住民税、固定資産税、自動車税。
私も1人の社会人としては現実主義者の面があります。
やっぱりいろんなことを考えても、
人は生きてるんだから、
現実を考えなきゃだめだよと思っ
てますが、でも、
そうやって責任企業の従業員を住
ませて、
町という単位を持ち続けることを、