2019/03/06(水) 01:46〜02:36 NHKスペシャル 東京リボーン 第2集「巨大地下迷宮」[字][再]
地下に入ると 地下水の勢いが増し→
岩盤から 水が噴き出してくる。
豆腐のような軟弱地盤は 崩れやすく→
作業員たちを苦しめた。
そこで 現場を特殊な装置で密閉し気圧を上げることで→
地下水が噴き出るのを防いだ。
しかし人間には過酷を極める現場となった。
気圧は地上の4倍。
ひどい耳の痛みに襲われた。
気温も35度を超え 湿度は100%。
1963年 救世主が登場した。
シールドマシンである。
イギリスで発明されたものを日本仕様に改良したものだった。
マシンがモグラのように掘り進み→
人は その背後で壁を作るだけでよい。
スピードも安全性も飛躍的に高まり
地下開発は 一気に加速していった。
今や地下鉄路線は 13に増え→
一日1,000万人が利用するという東京の大動脈に成長した。
全長300キロ 285の駅が
都心を くまなく網羅する。
更に 地下鉄の上には→
電気 ガス 下水道 通信ケーブルなどのインフラ施設が→
びっしりと詰め込まれている。
東京の地下トンネルやケーブル全てをつなぎ合わせると→
その長さは
実に 地球3周分にまで到達する。
広さでは
カナダ・トロントの地下が最大だが→
集積度で言えば 東京の地下空間は→
世界一である。
軟弱地盤を克服してきた地下開発技術が→
私たちの足元にもう一つの世界を築き上げてきたのだ。
東京の欲望のエネルギーは
地上だけでは抱えきれず→
地下へ地下へと向かっていったわけか。
それは ちっぽけな土地に1,300万を超える人間が住む→
東京の宿命なのかもしれない。
切ないぜ。
今に 地下に住むやつらも
出てくるんじゃないか。
格安地下マンションとか売り出したら
人気だろう。
それにしても東京は 一体
どこまで膨れ上がれば 気が済むんだ?
日本最大の地下迷宮と
呼ばれる場所がある。
東京駅周辺の丸の内・大手町地区である。
東京駅を中心に 周囲2キロの範囲に→
複雑な地下世界が広がっている。
19の駅と40を超えるオフィスビルを結ぶ地下通路が→
網の目のように
つながる。
その面積は およそ100万平方メートル。
隣にある皇居と ほぼ同じ広さである。
通路が どうつながり
どこまで広がっているのか→
この地下迷宮の全貌をつかんでいる者は
いない。
地下の正確な地図は存在せず→
今も増殖を続けているためである。
そこで 私たちは→
空間を立体的に計測できる最新鋭のカメラを地下に入れた。
この技術により→
地下通路を3次元映像で表すことが可能となる。
巨大地下迷宮を可視化する試みである。
まず 最も広い東京駅前の地下広場を見てみる。
高さが 微妙に違っている。
高さの違いは 80センチ。
小さな階段で つないでいる。
高さが違うのは→
所有者が別々のスペースを→
後から 一つにつなげたからだ。
東京駅前の地下広場は→
複数の所有者が入り交じっている。
JR東日本と東京メトロが
それぞれに所有する空間。
そこに 10年前に出来た
東京都の空間を合体させ→
広大な地下広場が生まれた。
実際に歩いてみると所有者が違うことが よく分かる。
360度カメラで しばらく進むと→
床や天井の色が全く違う所に行き当たる。
画面右側が東京メトロ→
左側が東京都の空間。
更に前方に進むと 所有者が東京都に戻る。
所有者が変わる度に照明も内装も全く変わる。
地下広場から 周囲のビルに
毛細血管のように通路が延びている。
更に ビルとビルも
ことごとく 地下通路で結ばれている。
この接続通路は 位置や高さがバラバラで
アップダウンが激しい。
不自然なカーブも多い。
新しいビルから延びてきた地下通路を→
既にあった通路と
強引に つなぎ合わせた結果である。
なぜ ビルは
積極的に地下通路を作ろうとするのか。
去年11月にオープンした 二重橋ビル。