2019/03/06(水) 01:46〜02:36 NHKスペシャル 東京リボーン 第2集「巨大地下迷宮」[字][再]


しかし それには リスクもある。
上げ過ぎると 土の圧力で→
地下鉄を支える杭を持ち上げてしまうのだ。
上げるが 決して上げ過ぎない。
地盤の軟らかさを計算に入れ→
繊細な操作でマシンを操る。

修正を始めて2時間。
マシンの角度が
ようやく目標値に近づいてきた。
シールドマシンの真上にある
地下鉄有楽町線では→
線路への影響がないか
直ちに確認が行われた。
影響はなかった。
無事難関をクリアした。
掘り始めて1年。
日本最大の地下迷宮を見事にくぐり抜け→
長さ250メートルのトンネルが完成した。
ここに 電力 通信ケーブル冷暖房の供給管が格納される。
しかし その存在が知られることはない。
日本のシールドマシン技術の進化は→
空前のスケールの工事を可能としてきた。
東京の郊外をぐるりと つなぐ東京外かく道路。
現在の終着点 練馬区大泉から
地下に道路を作り→
南へ
更に 16キロ延ばす計画である。
2つの巨大なシールドマシンが
既に動いている。
道路3車線分のトンネルを一気に掘る


世界最大級のマシンだ。
総事業費 1兆6,000億円の
超巨大プロジェクト。
マシンが掘り進むのは→
地上から40メートル以上も深い→
大深度地下。
この深さなら 地権者の許可がなくても→
トンネルを掘ることができる。
この規模の大深度開発は→
日本で初めてである。
大深度とはいえ 地上への影響はないのか。
地盤沈下 地下水の汚染。
地上の住民たちが立ち上がった。
調整は難航し
完成時期の見込みは まだ立っていない。
地下を走る リニア新幹線の工事も
ついに動き出した。
東京 名古屋間 280キロを40分で結ぶ。
そのほとんどが赤で示した地下トンネルとなる計画だ。
JR品川駅の線路のすぐ脇には→
直径40メートル深さ90メートルの巨大な穴が→
ぽっかりと 口を開けている。
ここを起点に世界最長クラスのトンネルが掘り進められていく。
このトンネルも 大深度地下
超巨大シールドマシンが投入される。
建設費用は 9兆円にも上る。
その1/3が国からの貸し付けである。
しかし去年 工事を入札した
ゼネコンによる談合が明るみに出た。
それでも シールドマシンは

地中奥深くを掘り続ける。
実は ほとんどのシールドマシンは
使い捨てである。
工事が終われば どんなに巨大でも
自らが掘ったトンネルに埋められ→
二度と地上に上がることはない。
マシンは トンネルごとに特注で→
ほかの工事には転用ができない。
わざわざ コストをかけてまで地上に引き上げる意味はないのだ。
東京の地下では トンネルの数だけ
シールドマシンが眠っている。
その数は 1,000を超えるといわれている。
俺には こんな妄想が浮かんだ。
地下に放置されたシールドマシンが
一斉に目を覚まし→
東京の地下を勝手に掘り始める。
それは もう制御のきかないモンスターだ。
そういえば 東京を破壊したゴジラは
水爆実験から生まれたよな。
欲望に任せて突き進むと どこかで
しっぺ返しを食らうのかもしれない。
シールドマシンたちよ
どうか 安らかに眠っていてくれ。
シールドマシンによって食い荒らされた
東京の地下。
その結果 地下にスペースがなくなり→
地下開発の最大の武器であるシールドマシンそのものが→
使えないという
皮肉な事態も起こっている。
今 東京で 286番目となる→

新しい地下鉄の駅が作られようとしている。
虎ノ門ヒルズ駅。
完成予定は 2020年東京オリンピック直前。
地上には バスターミナルも作られ→
オリンピック施設が集まるベイエリアへとつながる→
東京の新たな交通の拠点となる。
虎ノ門ヒルズ駅は→
日比谷線 霞ケ関駅と
神谷町駅の間に作られる。
トンネルの周りの土を取り除き→