2019/03/06(水) 01:46〜02:36 NHKスペシャル 東京リボーン 第2集「巨大地下迷宮」[字][再]


キャ~!
2011年3月11日
東日本大震災。
全ての交通機関がストップしたこの日→
東京駅周辺の地下は→
帰宅困難者が逃げ込む
シェルターの役割を果たすことになった。
寒さをしのげ
余震による揺れも小さかったからである。
一般に 地震の揺れは



地下深くなるほど小さくなる。
阪神淡路大震災の時も→
東日本大震災の時も→
地上は壊滅的な被害を受けたが→
地下には大きな被害はなかった。
地震の時 地上の建物には
巨大な力がかかるが→
地下の構造物は
周囲の地盤と一緒に動くため→
地上と比較して
揺れが小さくなることが分かっている。
巨大地震の時 地下空間に→
人々の命を守るシェルターの役割を担わせる。
そのためのリボーンが始まっている。
ここは 東京駅の地下に新設されている地下広場。
もともと地震に強い地下を
更に頑丈に作り替えようとしている。
震度7の地震にも
びくともしない構造を持ち→
東京駅全体で
7,000人を収容できる空間を作っている。
特に力を入れているのは 天井の強化。
鋼材を導入し どんな揺れにも耐える頑丈な構造に作り替える。
地震に強いはずの この地下空間だが→
シェルターとしては致命的な弱点を抱えている。
地権者が入り乱れており→
一元的に管理する者が存在せず→
災害時 地下全体の情報共有システムや
指揮系統がないのだ。
地下という閉ざされた空間で

避難・誘導を指示する体制がないと→
深刻なパニックが起きかねない。
これは 首都直下型地震を想定した→
東京駅の
人の動きのシミュレーションである。
地震発生後 3分。
地上に脱出しようとする赤色の人たちが階段の出口に殺到。
地上から地下に逃げ込もうとする
緑色の人たちと ぶつかり合う。
発生から10分後。
今度は 駅の改札周辺に人の密集が出来る。
青色は 駅の構内から
地下広場へ逃げ出す人だ。
情報を求めて
駅に殺到する赤色の人と交錯し→
身動きが取れなくなる。
こうした 人が密集した状態で火事などの2次災害が発生すると→
地震に強いはずの地下は
かえって危険な空間となるのだ。
災害時 地下空間にいる人々に
どう情報を与え→
避難・誘導を指示するのか。
1月。 東京駅周辺に地下空間を持つ企業が 一堂に会した。
JR東日本 東京メトロ 三菱地所など
5社だ。
来るべき巨大地震に備え→
これまで5社がバラバラに行ってきた災害対策を→
連携して行っていくことを
検討しているのだ。
今回5社は 災害時の情報共有システム

災害ダッシュボードを開発した。
参加企業の社員は 地震が発生したら→
すぐさま危険が発生しそうな場所にスマートフォンを設置する。
更に 街を巡回するバスやタクシーにも
臨時のカメラを設置。
災害時にも作動する Wi-Fi環境を用意し→
50か所以上でスマホのライブ映像を集める計画だ。
全ての映像は 5社の司令室に届く。
その情報を基に人々の避難・誘導を指示する。
例えば 駅で けが人が出たとする。
しかし 災害時 JRやメトロなど鉄道会社に課せられた使命は→
まずは 鉄道の早期復旧である。
そこで 駅で けが人が出たら→
地下通路でつながる三菱地所の
オフィスビルに患者を届け 後は任せる。
その様子は ダッシュボードを通じて
各社に共有され→
ビルには 仮救護所が開設される。
災害時 救急車の到着には時間がかかる。
そこで ビルの社員が
自力で街を巡回するバスに患者を乗せ→
医療機関に運ぶのだ。
これまでバラバラだった企業同士が連携をし→
避難指示などの指揮系統を確立して
初めて→
この巨大地下迷宮は
真に安全な空間となる。
欲望のままに膨れ上がった巨大地下迷宮。
作ってしまったものは もう壊せない。
ならば 地下を 俺たち人間のために