あっ、これが？
これは、だってあれやもんね、

吉本の、言うたら、宣材写真の。
だから子供のころやな、写真が。
あっ、でも、こう見たら…
これは子供のころ。
ほら、やっぱりあるで、ここにいろんな人。
あっ、久馬さんの
３歳のころとか。
これは…、コバヤシさん？
ケンコバさんの子供のころ。
えっ、あるやん、やっぱりこれ。
いけるんちゃう？
雑誌の企画などで
みずからの生い立ちを
語ることは多く、
幼少期の写真もたくさん載っている。
すいません、
こんなんもありました。
おっ！すごい、これ！


これは見たことない。
ＮＳＣ１０期生プロフィール
ということは、
履歴書みたいな感じ？
そうですね。
へえ～！
見つけたのは、黒田がＮＳＣに入学するときに
提出した履歴書。
芸人になる前の黒田が
唯一写っていたのが、この１枚。
ほかにもっと古いものはないのか？
しかし、どれだけ探しても
幼少期の写真は見つからない。
そこで、黒田が
２丁目劇場に出ていたころを
よく知る人に来てもらった。
橋本さんは２丁目劇場の芸人たちを
長年支えた作家さん。
当時の企画で、
黒田の子供のころの写真を
使うことはなかったのか？
今、昔の写真を
探してるんですけど。
黒田さんのね、幼少期の写真を。
でも、この２丁目時代は
写真が結構あるんですけど、
昔の写真がなくて。
子供のころの
ということですか？
はい。

聞けば、そういう企画はあったのだが、
黒田には過去のことを
聞いてはいけないような気がして
声をかけなかったとのこと。
とりあえず写真探しは中断し、
当時の黒田エピソードを
聞いてみた。
お金がないので、衣装もね
ほんで２丁目って
一舞台、５００円。
安かったです。
源泉引かれて４５０円。
それでも毎日のように出番がある
衣装を変えなあかん、
それがない。
ないから、僕、作家連中が
泣けなしのお金で
やっと買ってきたジャケットを
貸してや言うて、
それ着て舞台出るわ言うて。
あのジャケット着たまま
帰ってもうてるがなみたいなこと
何回かありました。
勝手に？
はい、勝手に。
無理やり、寒いときに。
そうです、そうです。
ありとあらゆることを
彼はやっているんですけども、
だけど、もう僕は

いいと思っているんです。
というのは、
黒田君のお母さん、
黒田和子さん…
黒田の幼少期を語る上で欠かせないのが、
母、和子さん。
男４人兄弟を
裁縫の仕事で
女手一つで育て上げた。
家は長屋で、
ご存じのとおり極貧。
子供の写真を
撮る時間もなかったのか？そんな実家の貧乏さがわかる
親子２人で出演した
貴重映像があった。
日が入れへんということに
うちの家の貧乏な、この生活が始まったんじゃないかと。
そうかなあ…
金持ちやったときってないやん
ないなあ。