2019/03/09(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「モナリザ 微笑が秘めた真実」[二][字]


残っています。
ヘアピンは 髪飾りと一緒に
描かれていました。
聖母マリアの頭に よく見られるものです。
頭の髪飾りは「モナリザ」とは関係ありません。
何の関係も?
ないです。
髪飾りの部分を解析すると ダ・ヴィンチが
「スポルヴェロ」という技法を使って→
下絵を板に転写していたことが



分かりました。
先の とがったもので 点を打って
トレーシングペーパーに下絵を写し→
木炭の粉を使って転写する技法です。
しかし 一度は描かれた髪飾りも次の層では消えてしまいます。
今度は細かい線が見えますね?
これも また別の?
ええ 別の層です。
線で絵を消してる。
ええ。 ひびが入ったわけではありません。
そうですね。
明らかに一度
描いたものを消すための線です。
これは とても重要です。
ダ・ヴィンチが どのような制作過程を経たのかが分かるからです。
ダ・ヴィンチは段階を踏みながら
1枚の絵を作り上げていったのです。
コットの分析は 「モナリザ」の秘密を
次々に解き明かしていきます。
更に上の層からは うっすらとした
顔の輪郭が浮かんできました。
また別ですか?
そうです。
一体いくつあるんです?
全部で 3つですね。
大きい頭に…。
ええ。ヘアピンの頭。
はい。
そして3つ目。そう。
目に注目して下さい。

衝撃の事実です。
目の隅に十字型の印があります。
これは すごい!
この印は 「モナリザ」の瞳の
きらめきの位置とは一致しません。
ああ。
ええ。
十字型の印が入った2つの目は→
現在の「モナリザ」の目とは異なる方向を見つめています。
顔の向きも 現在の「モナリザ」とは
14度 違っています。
もっと右を向いているんです。
つまり 本当は こっちを向いているはずなのに…。
ええ。
ずれてると。
眉毛も あります。
それは非常に重要ですね。
伝記作家のヴァザーリは「眉毛が美しく
描かれていた」と はっきり書いています。
そうですね。
現在の「モナリザ」には眉毛がない。なのに…。
眉毛です。 見えるでしょう?
ありますね。
これは口の部分です。
現在の「モナリザ」とは違います。
なんてことだ。 ほほ笑んでいない。
顔の向いている方向も違っていますし口も小さくなっています。
かなり小さい。
ええ。
つまり あなたは見つけた。

はい。
最初の「モナリザ」を。
ええ。
大発見ですね。
まあ… そうです。すばらしい。
コットの分析は ダ・ヴィンチが
「モナリザ」の下に描いていた→
別の肖像画の姿を明らかにしました。
顔の大きさは「モナリザ」と ほぼ同じですが→
14度 違う方向を向いています。
髪形も異なっていたことが分かりました。
ドレスの袖には リボンがありました。
膝に ブランケットが掛けられていた跡も残っています。
これが最初に描かれた
リザの肖像画なのでしょうか?
私は これまで「モナリザ」の絵は
2枚あるのではないかと→
ずっと考えていました。
あなたは「モナリザ」が 1枚の絵に2つ存在すると考えているんですね?
そうです。
まさに彼女が リザ・デル・ジョコンド。
ええ。
最初の「モナリザ」。そう思います。
商人の妻・リザの本当の肖像画です。
コットの発見は 美術史に新たな光を投げかけました。
「モナリザ」を分析して得た
全ての情報を総合して→
デジタルのモンタージュ画像が
作成されました。
現れた肖像画は 歴史上のさまざまな