2019/03/09(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「モナリザ 微笑が秘めた真実」[二][字]


記述に ぴたりと一致しました。
もし この絵が最初の「モナリザ」で
あるとすれば→
ダ・ヴィンチは やはり
依頼主であるリザの夫に→
肖像画を渡さなかったことになります。
そして最初の「モナリザ」の上に 現在の「モナリザ」を描いたということです。
1枚の板に描かれた 2人の「モナリザ」。
ようやく謎が解けました。
ダ・ヴィンチが 商人の依頼で 肖像画の
制作を始めたのは 1503年のことでした。
モデルとなったリザの

衣装や髪形を忠実に再現しようと→
取り組んでいる人物がいます。
エリザベッタ・ニニェーラはルネサンス期の服飾に関する専門家です。
当時の女性のファッションが
いつ どこで流行したものかを→
正確に見極めることができます。
コットの発見によって最初の「モナリザ」の姿が判明しました。
ニニェーラは リザの身なりを再現し→
制作当時の詳しい状況を明らかにしようとしています。
ルネサンスの時代に描かれた
他の絵と比較することで→
この絵のモデルが
どんな女性だったのかが分かります。
明らかに 16世紀の初めごろ→
フィレンツェで暮らしていた裕福な女性です。
絵の中に矛盾する要素は
全く見当たりません。
やはり この女性が リザでしょうか?


ラファエロが スケッチした…。
ええ ラファエロのスケッチに
非常に近いと思います。
まるで写真のようです。
そんなに?ええ。
ラファエロは 1504年に ダ・ヴィンチの
描いた リザの肖像画をスケッチしました。
スケッチした顔と コットが作成した
モンタージュ画像の顔は→
非常に よく似ています。
「モナリザ」の下から見つかったのは→
やはり ダ・ヴィンチが最初に描いた
リザの肖像画に間違いないようです。
しかし 新たな謎が生まれます。
現在の「モナリザ」は一体 誰がモデルなのでしょうか?
ルーヴルにある 現在の「モナリザ」に
ついては 何か分かりますか?
髪形や服装は どうでしょう?
多くの点から見て実在する人物ではない可能性が高いです。
その理由は?
まず 長い髪が肩の前にかかっていますがこれは恐らく→
女性の身分が非常に高いか すでに
亡くなっているかの どちらかです。
うねるように描かれた布は
意味がありますか?
肩の?
ええ。あります。
それが ルーヴルの「モナリザ」の
最も興味深い点です。
古代のギリシャ・ローマの芸術では→

どちらかの肩に布をかける表現はよく見られました。
ヴィーナスの象徴なんです。
純潔や誠実さといった美徳を表しています。
あの布は 絵の背景と一体化して
まるで流れる川のようにも見えますが…。
生きている女性が
身に着けるものではない?
そうです。
むしろ 理想の女神のような?ええ。
ルーヴルの「モナリザ」のモデルは
亡くなった女性なのでしょうか?
とすると ダ・ヴィンチよりも長生きした
商人の妻・リザはモデルにはなりえません。
ダ・ヴィンチが最初に描いた
リザの身なりを再現する試みが→
大詰めを迎えています。
リザ・デル・ジョコンドが どんな姿をしていたのか ついに明らかになるのです。
完成ですか?
ええ。
袖の形も完全に再現されていますね。
リボンも絵と同じだ。
そのとおりです。
ポイントとなるのは色です。
コットの研究で判明した 最初の
「モナリザ」の色を正確に再現しています。
すると 思いがけない発見がありました。
モンタージュ画像を見ると胴の部分は緑に近い色です。
それから袖の色も分かりました。
イタリア語で言うと「リオナート」です。
これは ライオンの毛の色という意味です。

リオナート。
それは面白い。
まるで響きが「レオナルド」のようですね。
ダ・ヴィンチは
言葉遊びが好きだったそうです。
ひょっとして絵にサインを入れる代わりに
この色を使ったとか?
そうですね。 気付かなかった。
「リオナート」という色に「レオナルド」という意味を込めた。
ええ。