2019/03/11(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「サンゴ礁の海 ラグーン〜小さな魚マニーニの冒険〜」[二][字][再]
想像を超えるものたちですが→
すべての生物の原点でもあります。
♪♪~
深い海の中に
無数の命を育む 揺りかごがあるのです。
♪♪~
マニーニは 生まれて10日たつと小さいながらも魚らしい姿になります。
ヒレも強くなり
徐々に自力で舵を取れるようになります。
海に浮かぶものは
何でも身を守るシェルターになります。
マニーニは
ちょうどよいヤシの実を見つけました。
ヨゴレザメが現れました。
海の支配者です。
ヨゴレザメは
周囲のすべてに食欲をそそられます。
「海の掃除人」とも呼ばれ
主に魚類や動物の死骸を食べます。
ヨゴレザメは 単独で行動します。
体の代謝機能が環境に適応し食料が見つからないときは→
数週間 何も食べなくても生きられます。
ヤシの実の陰に隠れたマニーニは→
幸いにも難を逃れました。
2か月近く海を漂ううちにマニーニの体は さらに成長します。
漂流物に
身を隠す生活は限界を迎えつつあります。
すみかとなる
ラグーンを探すときがきました。
備わったばかりの嗅覚を働かせます。
周囲何十キロにもわたってサンゴ礁から漂う匂いが→
マニーニにとっての道しるべとなります。
マニーニの旅の途中にはクジラの移動ルートもあります。
ザトウクジラのメスが 子どもを伴って
サンゴ礁の島 環礁へと近づいています。
毎年 ポリネシアの海域には 南極の
甲殻類で おなかを満たして北上する→
ザトウクジラが頻繁に出現します。
ポリネシアの あたたかい海に数か月間 滞在します。
繁殖のときを過ごすためです。
南極の過酷な冬は繁殖には適さないからです。
子どもは 数週間前に生まれたばかり。
生まれてから1年以上は 母親と過ごし母乳をおなかいっぱい飲んで→
1日50キロから100キロずつ
成長していきます。
ポリネシアの温暖な海は 幼いクジラに
泳ぎを教えるのにも最適です。
豊富な食料を求めて
南極の海へ戻るときに備え→
クジラの子どもは長距離を泳ぐ技術を
習得しなければなりません。
♪♪~
母親は 毎日 休憩をとりながら長い時間をかけて→
環礁の周囲を子どもと一緒に泳ぎます。
クジラの親子にとって環礁は敵からの避難場所にもなります。
母親は サメやシャチなど
恐ろしい敵の急襲を避けるため→
どのルートを通るべきか心得ています。
敵を避けるための手段として→
クジラは歌声のような音を発して
コミュニケーションをとります。
(鳴き声)
この歌声のような音とスキンシップによって→
親子は常に 絆を深め合っています。
♪♪~
生後 僅か数週間の子どもは 浮力さえ
まだ うまくコントロールできません。
我が子が海面に浮上してしまわないよう
母親がサポートしています。
♪♪~
誕生から およそ2か月 シマハギマニーニの旅が終わろうとしています。
♪♪~
マニーニは 備わった感覚を使ってラグーンの外側の縁を見つけ出します。
このサンゴ礁の壁の向こう側に
すみかとなるラグーンと→
仲間たちが待っているはずです。
しかし一番の難関はラグーンに入るときです。
(波の音)
体が あまりに小さいためラグーンの周辺の波に流されて→
サンゴ礁を簡単に越え
外洋に出てしまう危険性があるのです。
外洋の海面の うねりが
サンゴ礁の縁に ぶつかり 波が砕けます。
外洋の波がもたらす
新鮮な海水と空気の泡と光。
サンゴの成長には欠かせません。
♪♪~
波は サンゴ礁の壁を乗り越え
ラグーンの海水を絶えず入れ替えます。
海水の循環が 多くの生物にとって
理想的な環境をもたらします。
マニーニは
一生で最も危険なときを迎えています。
仲間のほとんどが サンゴ礁で暮らす
魚たちに食べられてしまうからです。
生き延びる確率を上げるために
マニーニは あるときを待ちます。
月が そのタイミングを決めます。
新月の夜 暗闇に紛れてサンゴ礁をすり抜けるのです。
(波の音)