2019/03/11(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「サンゴ礁の海 ラグーン〜小さな魚マニーニの冒険〜」[二][字][再]


繁殖の場所ともなっているのです。
あちらこちらの環礁から集まった
マダラハタの大群は→
ほぼ4週間 水路の一角に居座っています。
数にして1万8,000。 水路は大混雑です。
それぞれが自分の縄張りを主張し
繁殖の日に備えます。
オスは互いを挑発し 闘います。

♪♪~
次第に縄張りの中で
秩序が確立されていきます。
すべてのマダラハタが 水の流れに
顔を向けて そのときを待ちます。
中には ひどいケガを負ったものもいます。
原因は 仲間との決闘だけではありません。
1か所に集結するマダラハタの大群は
より大きな敵を引き付けます。
水路は 今や サメたちの
巨大食糧庫と化しているのです。
幼いシマハギ マニーニが


ラグーンに到着して2日がたちました。
体には縞模様が現れ
周りに溶け込んでいます。
しかし
多くの生き物が ひしめく この海で→
ぼんやりとは していられません。
♪♪~
毎晩 日暮れとともに
水路では劇的なドラマが始まります。
♪♪~
日中に活動する魚たちはサンゴの穴の中に身を潜めます。
サメの捕食本能が強まることを
知っているからです。
♪♪~
夜は サメが圧倒的に優位です。
獲物になり得る すべての魚にとって
恐怖の時間です。
♪♪~
夜間にのみ狩りを行うオグロメジロザメは→
群れでしか 効率よく狩りができません。
♪♪~
サメの体の側面には 僅かな動きも
察知できる 感覚器官があります。
♪♪~
夜の暗い海で サメは鋭い感覚を武器に獲物へ奇襲を仕掛けます。
♪♪~
獲物が近づくとサメの鼻先にある感覚器官も働きます。
しかし 常に万能ではありません。
♪♪~
一撃を逃れた魚は サメの集団によって

なおも執拗に追われ続けます。
生き延びられる希望は
ほとんど ありません。
♪♪~
集団で獲物を攻撃するうちにサメの興奮は高まります。
追われる魚は サンゴの砦に
たどりつこうと必死です。
獲物の争奪戦に夢中なサメはサンゴの砦を
破壊してしまうことさえあります。
水路で繁殖のチャンスを待つ
マダラハタは→
毎晩 サメに襲われる悪夢に耐えています。
夜が明けると マダラハタは再び自分の縄張りの定位置に戻ります。
メスのおなかは
卵でパンパンに膨らんでいます。
もう何週間も何も食べていません。
メスが産卵する瞬間を真っ先に捉えようと→
複数のオスが
メスの周りを取り囲んでいます。
マダラハタのメスが産卵を始めると→
オスは ただちに精子を雲のように放ちます。
すぐさま 魚の大群が雲の中へ突進し→
マダラハタの受精したばかりの卵を飲み込み始めます。
♪♪~
稲妻が貫くかのような 魚たちの乱舞。
海中に ほとばしる 新たな命。
環礁の水路は 生き物たちの生命をかけた舞台へと様変わりしました。
サンゴ礁の島には 時折
海の漂流物が たどりつきます。
枯れ木や 植物の種子などもあります。

島は その ほとんどがサンゴの かけらである→
炭酸カルシウムなどが堆積して
できています。
この環境で生き物が育つのは
簡単ではありません。
海から むき出しの状態で
さまざまな影響を受けやすいため→
生き物には厳しい環境なのです。
一方 海の中は穏やかです。
多くの生き物が
集団で生命を育んでいます。
マニーニの誕生物語も
ここから始まりました。
マニーニが ラグーンに たどりついて
2週間がたちました。
マニーニの体には 黒と白の
はっきりした縞模様が出来上がりました。
マニーニが すべての危険をくぐり抜け
成魚になるチャンスは ほんの僅かです。
マニーニは 仲間に同行して