2019/03/11(月) 15:50〜16:50 ten.【東日本大震災から8年…関西では伝えられない福島復興の真実】[字]
村に住民票を戻したのは、
事故前の6500人の人口に対し、
僅か16%ほど。その多くが高齢者です。
>>晩酌やるぐらいが楽しみ。
>>村で農業を営む今野茂之さん。妻と高齢の父と共に、避難指示が
解除された当初から、
村に戻っています。>>いや、寂しいな、あのころか
らすると。
そして子どもが遊んでんのなんか、見えねえから、やっぱりね、一番
子どもの声なんて、
聞こえないのが一番寂しいよね。
>>若い世代は避難先に生活基盤
が出来、
村には戻ってこないケースが多い
のです。
>>大熊町とかでも、
避難指示解除されますけど、
一部で。
>>やっぱり戻んないんだよな。あんまり。
若い人が全然戻ってきてないから、
村自体がどうなんのかなって思うぐらいだもんね。
なんていっても、これ、
原発の傷跡っていうのはすごいもんだと思って。
>>きょうまでの8年間で、
関西と福島、
そして福島県内でも原発事故と向
き合う温度間の違いが着実に広が
っています。
>>橋本フィールドキャスターと取材に当たった大橋キャスター、
今、福島県の大熊町にいます。
現地と中継を結びます。大橋さん、よろしくお願いします。
>>福島中央テレビの大橋です。
よろしくお願いします。
私が今いますのは、
福島第一原発があります大熊町です。
こちらは少し内陸に入りましたお
おがわら地区という所で、このよ
うに、新しい役場の庁舎が建設中
です。
きょうは町から、特別に許可をも
らいまして、中継をしています。
こちらは午後3時に撮影した映像
です。
新しい役場の庁舎は、
福島第一原発からおよそ10キロ離れた場所に建てられました。
この新しい庁舎がある場所という
のが、
居住制限区域というエリアです。
この新しい役場から数キロ進みますと、
人が自由に立ち入ることができな
い帰還困難区域となります。
元の役場の庁舎は、この中にあり
ました。
この帰還困難区域は住民の方であ
っても、申請をしないと、今でも
立ち入ることができない場所です。
一方でこの帰還困難区域を除くエリアでは、来月、
避難指示が解除される見通しです。
大熊町は復興に向けて大きな一歩を踏み出そうとしています。
>>大橋さん、
本当にこの8年という時間の中で、
福島県内、
場所の問題だけでは片づけることができない、いろんな格差、
出てきていますよね。
>>そうですね、
例えばこの大熊町を取りましても、
この春から、
元の家に戻れる方、
元の家が帰還困難区域にあるために、場所を移して町に戻る方、そ
もそも町には戻らない方など、境
遇はさまざまです。
また、福島では津波の被害があり
ましたが、
例えば、
津波で家を失った方でも、
原発事故の避難区域外の方ですと、
津波に対する補償しかありません。一方で、避難区域内ですと、東京
電力から、
原発事故の補償ということで、同じ家を失った状態でも、額が違っ
てきまして、
この補償、
賠償の問題については、福島県民
でも、
なかなか声を大きくしては話し合
えないというのが実情です。
>>奥野さん、この福島県内でも
それぞれ抱えている事情が違う、
戻りたくても戻れない人が8年た
っても、まだたくさんいらっしゃ
るんですよね。
>>そうですよね、ちょうど私、
このときに一番下の子どもがおな
かにいたときだったんですよ。
今考えたらもう小学校2年生にな
るんですね、次。
その子たちをもし抱えて避難して
いたら、
そこに確実に生活基盤が出来てい
て、
そこのコミュニティができていて、