深海に潜ろうとしているんでしょうか?
しかし 映っていたのは 泳ぐ姿だけ。
映像からは シャチが深海に潜る理由は何も分かりませんでした。
興味深いデータが
記録されていました。
下の線は 潜った深さを
示します。
シャチは深く潜った辺りで
特に激しく動いています。
研究チームは
この激しい動きは→
これを シャチが
頻繁に潜っている深さまで沈め→
海の中を撮影する作戦です。
次第に周囲が暗くなっていきます。
水深 およそ300m。
プランクトンの仲間オキアミの大群です。
カメラに何か張り付きました!
イカです。
シャチの主な獲物の一つです。
シャチが深い海に潜る目的は研究者の推測どおり→
深海に暮らす
イカや魚を食べるためだったんです。
ちょっと待った!
どうしました? ヒゲじい。
いや 深海なんて
他の海にもあるじゃないですか。
知床じゃなくてもシャチの獲物は
い~っぱい いるんじゃないの?
う~ん そんなことはありません。
知床の深海は 生きものが集まる特別な場所なんです。
特別って どういうこと?
冬 知床には流氷が来てましたよね?あ~ はいはいはい。
春になると
流氷から海に栄養分がとけ出します。
このオキアミを食べるため
イカや魚がどんどん集まります。
だから知床の海は 春から夏
生きものが とっても増えるんです。
う~ん シャチが集まるわけだ。
はい。
知床 羅臼沿岸の海底を見てください。
うん はいはい。
北側は2,400mと深くなっていますが→
南側は数十mへと急激に浅くなります。
いわば 崖のようになっているんです。
ほう 確かにね。
そのため やって来た魚やイカたちは
行き場を失い→
どんどん たまっていきます。
あっ はははは!
だから知床の深海は
特に獲物が多いんです。
一度潜ってしまえば 魚やイカは食べ放題。
知床の深海はシャチにとって すっごく魅力的な場所だと考えられるんですよ。
うん 知床の深海に
生きものが集まる理由→
よ~く分かりましたぞ。
シャチは深海の獲物をシャッチして食べに来ていたというわけか。
第2章では シャチが続々と大集結。
ついに大群が出現します。
ずらっと一列に並んで
一体 何をしているの?
その意外な理由が明らかに!
世界自然遺産 知床。
その豊かな自然の中で
最近 特に注目されているのが 海。
間近で生きものに出会えると
大人気なんです。
シャチが見られる時期は
観光船は大にぎわいです。
これからシャチを見に行きます。
見られますかね? 楽しみですね。
あれ? 井上さん 行っちゃったんですか?
そうなんですよ。 研究チームの一員でシャチ探しの達人 斎野さんに→
案内してもらいました。
この日は 海も穏やかで条件はバッチリ。
シャチを探して海を見つめていると…。
大きな背ビレ。 シャチです。
運がよければ 港から出てすぐに
こんな群れに出会えるんですよ。
シャチのほうから
船の近くにやって来ました。
シャチだけではありません。
知床の海では 他にも魅力的な生きものに出会えるんですよ。
あっ 早速 何か発見。
フサフサした毛が特徴のキタオットセイです。
大きなものでは
2mにもなります。
今は繁殖地のロシアなどに向けて
旅の途中。
豊かな知床の海で
ちょっと一休みでしょうか。
大きな生きものが現れました!
体長20mもある ナガスクジラです。
世界で2番目に大きい
生きものなんですよ。
さらには ちょっと意外な出会いも。
あっ! いた!いた!
あっ 波打ち際を