ヒグマの親子が歩いています。
アハッ かわいい~!
ヒグマも よく食べ物を探しに海岸にやって来ます。
見つけたのは…。
命を終えたクジラ。
ヒグマにとっては
またとない ごちそうです。
知床の豊かな海は
陸の命も育んでいるんですね。
知床の豊かな海に集まってくる
たくさんのシャチ。
その最大の謎が 幻の超大群。
時に 100頭ものシャチが一堂に会するというんです。
見られるのは わずかな時間だけ。
しかも いつ現れるかは分かりません。
いくつかの目撃情報以外
手がかりは一切なし。
(鳴き声)
ひたすらシャチを追跡しその時を待ち続けます。
そんな ある日。
地元の船から シャチがたくさん集まっているという連絡が入りました。
急いで現場に向かいます。
遠くに たくさんの背ビレが見えてきました。
いくつかの群れが
集まっているのかもしれません。
今まで見たこともないような数です。
ついに 超大群が見られるかもしれません。
二つのシャチの集団が見えます。
どんどん近づいて…。
一つの大きな群れになりました。
見えるだけでも30頭近く。通常の群れをはるかに超える大群です。
ずらっと一列に並んだシャチ。
きれいな隊列を保ちながら泳ぎ続けます。
こうしたシャチの行動が
空から克明に撮影されたのは→
今回が世界で初めてです。
おや?
列が崩れました。
今度は塊になって泳ぎ始めました。
互いに体がぶつかりそうなほど
近づいています。
こちらのシャチは
おなかをこすり合わせています。
これは「ラビング」と呼ばれる行動。
よ~く見ると あちらこちらでラビングをしていますね。
シャチは こうして
お互いの親密さを確かめます。
数分後 シャチたちは
再び一列に並びました。
何回も並び直すという行動を
繰り返しています。
大群は 謎の行動を繰り返し
1時間ほどで消えていきました。
シャチたちは
一体 何をしていたんでしょうか?
研究チームのリーダーで シャチを
見分けるスペシャリスト 大泉博士に→
この行動の分析をしてもらいます。
大泉博士が使うのは今までの調査で確認された→
400頭以上に及ぶシャチの記録。
これでシャチたちを 一頭一頭 調べます。
すると 11頭は
一つの群れに属し→
それ以外は これまで
記録されたことのない→
未知の群れの可能性が
あるといいます。
なぜ別々の群れが合流したのか
博士は こう考えています。
どういうことなのか?
実は シャチは 適齢期になってもほとんど出会いがない→
独特の暮らしをしていることが
分かってきています。
シャチの群れは 最年長のメスを
リーダーとした 一つの家族。
子どもはオスもメスも 一生
群れから出て行くことはないんです。
家族だけで暮らしているので
そのままだと→
恋の相手を見つけることができません。
なので他の群れと出会うと→
その中から繁殖相手を探すと
考えられています。
群れが合流するのは いわば 家族ぐるみの
「婚活パーティー」というわけです。
そうした集まりが 時に
100頭にもなるというんです。
知床で
こうした行動が目撃されているのは→
ここならではの環境が
カギになっているといいます。
今回は 惜しくも 100頭もの超大群は
撮影できませんでしたが→
シャチの知られざる行動の一端を
かいま見ることができました。
知床の豊かな海は シャチにとって
貴重な出会いの場でもあったんです。
ちょっと待った!
あれ どうしました? ヒゲじい。
だって シャチたちは