2019/06/25(火) 22:30〜23:20 プロフェッショナル 仕事の流儀▽腰痛治療いまだ進化せり〜腰痛専門医・西良浩一[解][字]

患者は働き盛りの34歳。
小さな息子が 見送る。
患者の仕事は救急隊員。
腰痛が1年ほど前からひどくなり
仕事を続けられないおそれすら出てきた。
痛みは 背骨の間の「椎間板」が
すり減って起きていた。
手術は 全国でも数人しかできない難易度。
だが この西良浩一なら 挑める。
通常の手術は
背中の筋肉を大きく切って行う。
数ミリ横には 決して傷つけてはいけない
大事な神経が走っている。
骨を削るための
ダイヤモンドでできたドリル。
少しでも神経に触れれば
下半身は麻痺する。
最後に すり減った椎間板の代わりに
金属と骨を移植し 手術を終えた。
朝7時半。
西良は いつもひょうひょうとした物腰。
だが 実は。
わりと 人なつっこくもある。
おはよう。
徳島の西良のもとには全国から患者がやって来る。
どうぞ。
はい。
調べによれば 実に日本人の4人に1人→
2,800万人が腰痛に悩んでいるという。
腰の痛みの原因は 内臓からくるもの


心理的なものなど さまざまある。
西良はその中でも 「脊椎」からくる痛みを
治療する エキスパートだ。
この分野で 西良は高い実績を残してきた。
プロ野球 巨人でプレーした高橋由伸さん。
高橋さんは現役時代 長く
原因不明の腰痛に悩まされた。
選手生命が危ぶまれるところまで
追い詰められた。
そんな時に出会ったのが 西良だった。
西良は これまで誰もできなかった高橋さんの腰痛の原因を特定した。
腰痛の苦しみから解放した。
(歓声)
あ どうぞ。
はじめまして 寺岡です。
プロゴルファーを目指す…
これまでに3つ病院を回ったが原因が分からない。
(西良)これやね。
これ言われとったやつやろ。
前の病院では 良性の骨の腫瘍
「類骨骨腫」が疑われた。
検査では陰性だったものの
その可能性は完全には捨てきれない。
類骨骨腫であれば
体にメスを入れる必要も出てくる。
西良は 前の病院が撮った画像を見つつ
問診を続ける。
どんな時に どんな痛みが出るのかを
丹念に探る。
その最先端で闘う西良が


最も大事にするのは→
極めてシンプルな 一つのことだ。
西良は 問診から導き出した推理を語り始めた。
西良は 痛みの原因は類骨骨腫ではなく→
一つは 前にかがんで痛いタイプ。
これは 椎間板へルニアなど
椎間板という軟骨と→
その周辺に原因がある場合だ。
もう一つは 後ろに反って痛いタイプ。
これは 腰椎の
後ろの部分に原因があると考えられる。
西良は 推理が当たっているか
徹底的に検証していく。
やはり 腰椎の後ろ側に原因があるらしい。
そして更に 触診で確かめていく。
寺岡さんの腰に負担のかかる体の使い方が
痛みを招いていると見た。
ここで画像を もう一度確認する。
確かに 関節の炎症が示されていた。
最後に 見立てた診断を確定するため
検査を行う。
特殊な薬品を入れた注射針で
患部とおぼしき場所を刺激する。
いくよ。 これは?
痛みの出どころは腫瘍が疑われた場所ではなかった。
西良は 寺岡さんは「椎間関節炎」だと
結論づけた。
すいません
どうもありがとうございました。
痛みの原因を特定する 西良の力。

それと並び 西良が評価されるのは内視鏡手術の高いスキルだ。
68歳の福島秀子さんは
長年 腰痛に悩まされてきた。
去年末からは しばらく立っていると→
腰から足にかけて痛みが出て座らざるをえない。
こっちでブロックしな。 ブロックしな。
腰が不安で かわいい孫もだっこできない。
更に。
しゃがんだり立ち上がったりを繰り返す趣味のガーデニングも→
全くできなくなっていた。