2019/07/03(水) 16:50〜18:15 スーパーJチャンネル[字]


藤田さんを不幸が襲った。
≫去年、関西で
暮らしていた一人息子が
脳腫瘍のため亡くなったのだ。
≫91歳という高齢で
関西までの長距離移動は
体力的に厳しい。
何より金銭的な余裕がない。
いまだ、息子の墓参りにも行けずにいるという。
その苦しい生活を


象徴するかのように
藤田さんの通帳には
マイナスの残高が並んでいた。
≫都内の区営団地で
1人暮らしをしている
藤田美佐子さん、91歳。

彼女は、深刻な年金生活を送っていた。
≫通帳に記された
マイナスだらけの残高。
一体どうやって
生活を維持しているのか。
≫実は、藤田さんには
20万円の定期預金がある。
それを担保に、一定限度額まで
お金を借りられるのだ。
≫2か月に一度
年金が入ってくると
残高がプラスに戻る
まさに自転車操業。
≫藤田さんが受け取る年金は
国民年金と厚生年金
合わせて、月およそ9万円。
そこから食費5万円や家賃、公共料金などを払うと
手元に全く残らない。
ほぼ毎月、赤字の生活が続いているのだ。
衣類にお金を使う余裕はなく
昔の服を着続けている。
≫高齢のため
買い物に出かけることが
ほとんどないという藤田さん。

≫食材の調達は宅配に頼っている。
藤田さんの生活費の
半分以上を占めるのが食費だ。
月5万円もかかるのには
わけがあった。
≫カタログを見ると
食材を、つい多めに注文してしまうという。
冷蔵庫の中は、ぎっしり。
食べきれず賞味期限が切れた卵があるのに
この日も
新しい卵を買っていた。
≫この日の夕食は
宅配で買った、マグロのたたき。
もう1品は、ひじきの煮物だ。
1人で食べるにはかなりの量だが…。
≫藤田さんは
食事を作りすぎると
同じ団地の住民に
おすそ分けしている。
1人暮らしの80代の女性とは
10年以上の付き合いだという。
≫藤田さんは、91歳にして
最近、楽しみができたという。
目的地へ行くには
バス代が往復200円かかる。
それでも…。
≫多少お金をかけても行きたいある場所。
果たして、新たな楽しみとは?
そこは、東京・北区が主催する
地域に住む65歳以上のシニアを

対象とした昼食会。
この日は
30人以上が集まっていた。
栄養バランスを考えたランチは
1食400円。
≫会話をしながらの食事は
1人暮らしの藤田さんにとって何よりの時間だ。
≫1か月9万円の年金で
生活している藤田さん。
こんな老後が
待ち受けていようとは
想像できなかったという。
≫20万円の定期預金が命綱。
藤田さんのギリギリの年金生活は
続いている。
午前6時半、池袋駅。
≫大崎恒夫さん、80歳。
年金だけでは生活費が足りず
週4日、公園の清掃をしている。
収入は、月およそ9万円。
≫実は、3か月前までは月収が16万円ほどあったが
仕事内容が変わり
働ける時間が大幅に減ったという。
≫大崎さんは、都内にある
築50年以上のアパートで
1人暮らしをしている。
間取りはキッチンと6畳の和室。
風呂なしで
家賃は3万2000円だ。
≫大崎さんが受け取る年金は