ありがとうございます。
実は彼女 教科書にもその名が刻まれたプロフェッショナルだ。
総勢500人のスタッフが
トイレの壁から便器の裏までを→
徹底的に磨き上げる。
隅々まで輝かせる。
圧倒的な こまやかさ。
その努力で 清潔な空港世界一の座を4年連続で受賞し続けている。
清掃技術日本一…
名声には目もくれずただひたすら高みを目指す。
いきなり 50段以上の階段を上り始めた。
事務所に着いた新津。
毎日こなしている日課に取りかかった。
取り出したのは5キロの鉄アレイ 2つ。
腕と腹筋を中心に 20分以上 鍛えていく。
この仕事に就き以来ずっと清掃を続けてきた。
現場に向かった新津。
まず始めたのは 汚れのチェックだ。
今 新津は 総勢500人の清掃員を
指導する立場にある。
その中で 特に難しい汚れがあれば
新津の出番だ。
そして口をゆすいだ時の
脂分などが 汚れの原因だ。
まず取り出したのは 弱いアルカリ洗剤だ。
そして今度は 強い酸性洗剤でこびりついたミネラル分などを落とす。
そして しつこい汚れを
丹念に落としていく。
人目につかない冷水器の下。
清掃の職人であれと自らに言い聞かせる新津。
自ら開発に携わったブラシで
排水口を丁寧に こすっていく。
今度は 一見きれいな床に
目を凝らし始めた。
人が行き交うたびに舞うほこりは
アレルギーの原因にもなる。
どこまでも 使う人のことを考え
清掃に向き合う新津。
大切にしている 流儀がある。
行き交う客の邪魔にならないよう気を配りながら→
そうして 巨大ターミナルの清潔を
守り続けている。
新津さんの生活は
一体どう変わったのだろうか。
新津さんは昨年 異動し
新しい部署で働いていた。
今や教科書にまで掲載されている
新津さん。
アジア各国でも 度々紹介され
中国の複数の企業から→
高額な給料を出すので
是非 来てほしいという話もきた。
その話を全て断った。
この スタッフ5人の小さな部署への異動を志願した。
一般家庭のハウスクリーニングだ。
常に工夫を凝らしているのが その道具。
特にこだわる道具の一つが
自分で削って作るという この竹べらだ。
竹べらは 頑丈でありながら
素材を傷つけない しなやかさもあると→
年々 その数を増やし
今では常時10種類ほど持っていく。
暮らしの中で 清掃に使えそうだと思えば
何でも試すのが新津流。
ハウスクリーニングに挑み始めてからは
道具の数は格段に増え→
今や 300種類を超えた。
ハウスクリーニングの練習場所まで設けた。
ここで毎日 新たな道具のテストや
練習に励んでいる。
(新津)笑うけど これ…
そこには 逆境を生き抜いてきた壮絶な半生がある。
いわゆる 日本人残留孤児。
「中国人は帰れ」。
苦しみは それだけではなかった。
存在を認められず居場所のない自分。
何を よすがに生きていけばいいのか。
鈴木 優さん。
新津さんは 鈴木さんの熱血指導を
受けるうちに→
がむしゃらに学び続けて3年が過ぎた。
邪魔にならない 身のこなし方。
見えない箇所や においまで
配慮する姿勢が大切なのだ。
そうして2か月 鈴木さんと特訓を重ね→
ついに臨んだ 技能選手権の全国大会。
♪♪~
あがっていた。
空港の中でも トイレは多くの客が利用し
汚れやすい場所。
取り出したのは
極めて細かい毛が付いたパット。
視覚障害者用ブロックに使っているものを
応用できると考えた。
用意できたパットは4つだけだった。
いよいよ パットを機械につけ床を磨き始める。
(新津)おお~。
新津の読みは的中。見事に汚れが落ちていく。
だが 新津は仕事をやめない。
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