2019/08/27(火) 22:30〜23:20 プロフェッショナル 仕事の流儀「内科医・天野惠子」[解][字]

見つけるため感情論ではなく冷静な視点で
皆さんは ご存じだろうか。
さまざまな病気がある中で→
特に女性がかかりやすい病がある
ということを。
中には 原因不明の病気もある。
例えば…
全身の激しい けん怠感や
微熱などが続く。
ひどくなると全く動けなくなり
日常生活も ままならなくなる。
こうした病によって 絶望のふちに
立たされる女性は 数知れない。
だが。
ある医師との出会いが…。
患者たちに…。
希望を与える。
その医師の名は 天野惠子。
女性を専門に診療する「女性外来」のパイオニアだ。
今夜は 女性特有の病に向き合う
医師の物語。
この日は 千葉にある病院への出張だった。
天野は依頼を受け週一回ここで診察を行っている。
(スタッフ)おはようございます。
おはようございます。
あ~ なんかやっぱり風は冷たいね。
朝8時。 足早に病院に向かう。
天野の診察を求め 患者は北海道から
九州まで 全国各地からやって来る。
患者は皆 女性だ。


手渡したのは 携帯型の心電計。
落合さんは14年前 胸に痛みを感じ
自宅近くの病院で見てもらったが→
異常は見つからなかった。
ところが そのあとも胸の痛みは続いた。
いくつかの病院を転々としたが
いずれも異常なしと診断された。
そして3年前
天野にたどりついた落合さん。
ようやく原因が分かった。
この病気は 心電図などの検査でも発見できない→
細かい血管がけいれんすることで
引き起こされる。
閉経間近の更年期の女性に
多く見られる病気で→
女性ホルモンの減少が
関係しているという。
天野は 細かいの血管を広げる薬剤を
投与することで 症状を改善させた。
当時 アメリカでは既に
性別の差を重視する医療→
いわゆる「性差医療」が行われていた。
男性と女性でかかりやすい病気に差があり→
更に同じ病気でも→
治療法や薬の効き方が違う場合があるのだ。
天野は 女性外来の第一人者として
この20年→
4,000人を超える女性たちに
向き合い続けてきた。
それにしても 他の病院では


判断がつかなかった病気の原因を→
天野は なぜ見つけることができるのか。
そこに 天野の天野たる流儀がある。
「患者から識る」とは どういうことか。
天野が勤める病院で診察の様子を見せてもらった。
気付いたことがあった。
患者の話を聞く時とにかくメモを取りまくる。
相手の顔を見ることは まずない。
この日もまた助けを求める女性がやって来た。
初診の50代の主婦。
症状は 胸や胃 関節の痛み手足の冷え 不眠など。
病院で診察を受けたが
原因は分からないと言われたという。
天野の診察は
患者が病院に来る前から始まる。
実は 予約の段階で
現在の症状だけではなく→
病歴 通院歴 治療内容などを→
できるだけ詳しく自分で書いて送ってもらう。
天野は それを十分読み込んだ上で
一から確認していく。
送られてきた文書は
あえて手紙のような形式を取っている。
ただ単に 患者の情報だけが
その目的ではない。
(天野)私たち 患者さんに
成り代われないわけですよ。
患者は 順序立てて
これまでの経過を語り続ける。
天野は 4,000件の症例と照らし合わせ

不調の原因は何か 見極める。
女性は 誰にも理解してもらえない
苦しみから→
おかしいのは自分ではないのかとさえ
考えるようになっていた。
話を聞き続けること1時間。
天野は はっきりと言った。
不調の原因は 精神疾患ではなく→
更年期に入った体の変化が引き金になっていると診断した。
天野は更に30分かけ 更年期障害の症状や