1日12本あるが…。
≫利用客を待ってみるも
一向に降りる気配がない。
そして、6時間が経過。
長期戦を覚悟したそのとき人の姿が。
しかも、馬?
追いかけて話を聞いてみることに。
≫1週間に一度
ペットであるポニーを散歩させているという山北さん。
≫駅の下にある山北さんの自宅は
40年続く家族経営の食堂。
昔は、駅の利用客も
食べに来たが
今は近くの国道を通る
ドライバーがほとんどだという。
≫1960年に開業した
土佐北川駅。
この地域には
およそ4000人が住んでいたが
今は、わずか258人に。
橋の上に移転したのは1986年。
沿線で土砂崩れが
相次いだためだという。
午後7時5分。
高知方面への最終列車が到着。
この日、駅を
利用する人はいなかった。
≫次の日も、始発から終電まで
待ち続けてみたものの
利用客はゼロ。
≫高知県大豊町にある土佐北川駅。
橋の上にある珍しい秘境駅だ。
何時間待っても誰一人降りないまさに秘境駅。
取材を始めてから3日目。
待合室に待望の人影が。
≫この地域に住んでいる
西岡翠子さん、73歳。
≫4駅離れた病院まで
いとこを見舞いに行くという。
3時間後
西岡さんが戻ってきた。
自宅まで距離があるため
バイクを利用しているという。
≫西岡さんのあとを
懸命に追いかけるが…。
≫不安を抱えながら
山道を歩くこと20分。
≫およそ30軒が集まる
山あいの集落。
そこに西岡さんの自宅はあった。
≫この地で生まれ育った西岡さんは、現在1人暮らし。
集落でたった1つの商店を
切り盛りしている。
夫は18年前に他界した。
車を持っていない西岡さんにとって
駅は生活に欠かせないという。
≫街に出たとき必ず本を買うことも
楽しみの1つ。
今では、わずかな人しか降り立つことがない秘境駅から
大切な人が訪ねてくる瞬間だ。
≫岡山県から鳥取県までおよそ140kmを走る伯備線。
この路線にも
味わい深い秘境駅がある。
岡山県新見市の布原駅。
山あいにぽつんとある秘境駅だ。
列車の本数は平日11本。
しかし、1日の平均乗降客数はなんとゼロ。
とにかく誰も降りない。
仕方がないので駅の周りを探索。
と、そのとき。
≫駅に人の姿が。
≫車で1時間の場所から
来た男性。
時刻表には載っていない
貨物列車をカメラに収めるため
秘境駅まで足を延ばしたという。
≫かつて、SL列車が走っていたこの路線。
この付近は
絶好の撮影スポットとして
人気であった。
布原駅は、1987年に開業。
当初は利用客も多かったという。
ところが今では、ご覧のとおり。
ひっそりとした秘境駅に。
利用客に出会うのは難しいのか。
諦めかけていた、そのとき。
列車から女性が。
≫駅の近所に住んでいる
川添一枝さん、54歳。
≫父親が1か月前に入院してから
毎日、駅を利用しているという。
二十歳で結婚して
夫の実家である、この家で暮らすようになった川添さん。
初めは、すぐ目の前を通る列車に
悩まされたらしい。
≫実は、川添さんは
車を運転する。
それにもかかわらず
列車で父親の見舞いに行くのには
切実な理由があった。