2019/12/05(木) 22:00〜23:00 NHKスペシャル 体感 首都直下地震「DAY4 危機を生きぬくために」[解][字]
なんでしょうか。
赤松≫ご説明します。
こちらの図をまずご覧ください。
一度、ご紹介しましたが
海水面の高さを表した地図です。
青が濃いところほど
低くなっています。
この辺りは海水面より低い
ゼロメートル地帯。
176万人が暮らしています。
荒川、水色の線ですが
この両側もゼロメートル地帯です。
荒川の堤防が台風や高潮による決壊の危険性というのは
これまでも指摘されていました。
ただ地震で決壊するという想定は詳しくされていませんでした。
というのも、そもそも
地震による大きな揺れに
耐えられるように
設計されているからなんですね。
ただ、熊本地震、ありましたよね。
震度7の地震が2回きましたがそれ以降は地震で堤防が決壊する
危険があると
指摘する声も高まっているんです。
荒川の堤防が決壊すると
水位がどうなってしまうのか。
これは、ドラマで描かれた
江戸川区の
一番低いところで
堤防が決壊したら水位がどうなるか。
3mぐらいの高さがあります。
井ノ原≫決壊したらこれぐらい水がくるんですか。
赤松≫江戸川区の一番
低いところという想定なんですが
水がくると3m超える高さまで
水位がくるということなんです。
テリー≫この水は
どこまでいっちゃうんですか?
赤松≫広がりは
確認が必要ですが…。
小野≫少なくともそこで
暮らしている人の地面が床の部分。
そして、堤防を挟んだ川の水面が
満潮時には、この高さまで
いくってことなんです。
だから、この水が堤防を越えてくるときの勢いが
すごいと予想されているんですね。
井ノ原≫先ほど津波の心配はありませんという
話がありましたよね。
海が近くないから大丈夫だろうという
考えでいては
いけないということですね。
赤松≫この高さというのは平常時
大雨が降ったりとか台風がきたりとかしなくても
これぐらいになってしまう
可能性がある。
地震によるダメージのところに
台風による水位の上昇が重なると
被害が大きくなることが
最新研究から分かってきました。
台風19号で決壊した
荒川上流部の堤防です。
調査する東京理科大学の
二瓶泰雄さん。
二瓶さんは台風などで
水位が高くなっているときに
大地震が起きれば
堤防が決壊するリスクが
より大きくなることを
実験で突き止めました。
これは、その実験の映像です。
震度7クラスの揺れによって亀裂が入り、沈み込んだ堤防。
大雨で増水した川の流れによって
堤防が削られ一気に決壊しました。
こうした最悪の事態が起きた場合
東京はどうなってしまうのか。
シミュレーションによれば
堤防が決壊して、あふれた水は地上に広がるだけでなく
地下鉄のトンネルなどを通って
都心の地下にも広がっていきます。
地下鉄に流れ込んだ水は
トンネルを伝って
ほかの路線にも浸入。
東京の地下空間を水没させていくのです。
最終的には
17路線、97の駅に浸水。
さらに水は
地下街から地上へも広がり
都心の広い範囲を
水没させてしまいます。
テリー≫すごいですね。
井ノ原≫あそこまでいくとは。
地下、ちょっと危ないだろうな
ぐらいに思っていたら
ほとんど全部…。
テリー≫それこそ東京駅、銀座あの辺りでしょ。
警視庁のほうですもんね。
赤松≫ただ、こうした堤防の
決壊に備えて
東京都や地下鉄事業者などは
浸水対策協議会を作って