2019/12/08(日) 19:30〜20:00 ダーウィンが来た!「古代魚ガーの超“脱力系”サバイバル術」[解][字]
6月。 ガーは恋の季節を迎えます。
実は ガーの繁殖行動は これまで
ごく僅かな目撃例しかありません。
もし撮影出来れば
大スクープ間違いなし!
ところが いくら待っても
繁殖行動が始まる気配がありません。
一体 なぜか?
研究者は異常気象が原因ではないかといいます。
ガーの産卵が目撃される場所は→
大雨によって水浸しになった森や草地です。
こちらの森も 例年なら
1m以上 水につかっているはずですが→
雨が少なく ご覧のとおり。
結局 フロリダでは ガーの繁殖行動を目にすることはできませんでした。
何とか その瞬間を捉えたい。
私たちは全米各地から情報を集めることにしました。
すると 有力な情報が。
やって来たのはフロリダから北へ2,000キロ。
ミシガン州の湖です。
雨で水かさが増し岸辺の草が中ほどまで水没しています。
ここで ガーの繁殖行動らしきものが
目撃されたといいます。
早速 捜索開始です。
いました! ロングノーズガーです。
草の周りを たくさん泳いでいます。
ガーの数は 優に100匹を超えます。
辺りのガーが大集合しているんです。
よく見ると 体に模様がありますね。
フロリダで見た同じ種のガーには
無かった特徴です。
実は この模様 繁殖期の
ロングノーズガーに現れる特徴なんです。
おや? オスとメスが寄り添っています。
何だか いい雰囲気。
こちらは 手前がオス。
メスのおなかを口先で押し上げました。
産卵を促す行動だといいます。
あちらこちらで仲むつまじいペアの姿が見られました。
こうした行動は 5時間ほど続きました。
しかし群れは いつの間にか姿を消し再び現れることはありませんでした。
研究者は 群れがいなくなった原因は
水の温度だといいます。
ガーの産卵に適した水温は
21℃ほどなんですが→
この時は 27℃まで上がっていたんです。
水温が高すぎると 卵や子どもがうまく成長することができません。
ガーは 最適な条件がそろわない年には
あっさり産卵を見送ってしまうんです。
ちょっと待った!
何ですか ヒゲじい。
いや 慎重なのはいいですけど
産卵だけは ちゃんとがんばったほうが→
いいんじゃないですか?
子孫を残せないじゃないですか。
あ~ そう思いますよね。 でもガーには
毎年 産卵をがんばらなくても→
子孫を残せる とっておきの秘密が
あるんですよ。ほう。
その秘密とは ズバリ 長い寿命です。
へえ 寿命… ですか?
はい。 ガーの仲間は
魚の中でも特に寿命が長く→
中には 95歳まで生きた例もあるんです。
うわ そりゃすごい!
しかもガーのメスは 早ければ
2歳くらいから産卵するようになり→
寿命が尽きるまで ず~っと卵を産みます。
お~ なんと!
つまり
産卵のチャンスは何十年も続きます。
だから 条件が悪い年は産卵を見送って
体力を温存するほうが→
長い目で見れば効率がいいんですよ。
なるほど!
そうやってガーは
条件が良い時だけ産卵をすることで→
確実に子孫を残してきたと
考えられているんです。
そうか そういうことだったのか。
つまり ガーが ガーんばらなくても→
1億年 命をつなぐことができたのは
長寿が 超重要だったんですな。
なんてね!
ガーの取材も終わりに近づいたころ→
テキサス州の川で
うれしい出会いがありました。
ここは 雨で
川の水があふれて出来た池です。
5cmほどの細長い魚がいます。
口先で空気を吸いました。
生まれたばかりの
ロングノーズガーの赤ちゃんです!
ワニのような口は
このころから もう長いんですねえ。
近くには
アリゲーターガーの赤ちゃんもいました。
♪♪~
この池では ガーの産卵の条件がそろっていたようです。
赤ちゃんの周りには