2019/12/15(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「和包丁」[字]


0.3%から2%含む 硬い鉄。
しかし さびやすく もろい欠点が。

それを補うのが炭素を ほとんど含まない軟鉄。
土台となって 鋼を支えます。
鋼に 接合剤をつけ熱した軟鉄に載せます。
2つ合わせた鉄を
800度から900度で熱します。
たたきながら
2つの鉄を密着させます。
鉄は 熱しては たたき
鍛えられる事で→
結晶が細分化され
繊維状の組織に変わり→
硬く
強くなっていきます。
包丁の形に近づいた鉄は
一晩 ゆっくり冷ますために→
わら灰の中に入れられます。
これを 焼きなましといいます。
(水野)


たたいて 鍛造している時に→
鋼に対して
ストレスが かかってくるんで→
徐々に冷やしていく作業を
する事によって→
鋼のストレスを取ってやって→
鉄が軟らかくなる作用があるんで→
あとの作業 仕上げの作業が
しやすいという事で→
焼きなましっていう
作業をやります。
ゆっくり冷ます事で 鍛造で生じた
結晶のムラがなくなり→
均一な状態になっていきます。
鋭い切れ味を生み出すために→
もう一つ 隠れた技を施します。
用意したのは かまぼこ型の金型。
その上で 包丁の裏側を→
僅かに くぼませていくのです。
出来上がったのは 樋と呼ばれる→
1ミリにも満たない隙間。
(水野)樋がある事によって
刃の角度が鋭角になるんですね。
樋がない状態の角度というのは→
こういう状態ですね。
樋があるという事は
ここに樋がつくんで→
こういう状態に
なる訳ですね。
これで 角度が随分…

この刃先の角度が→
変わる訳ですね。
よりよく切るためにこの樋があると。
包丁の切れ味を生み出す
焼き入れ。
刃を強じんにする作業です。
ふいごで風を送りながら→
760度から800度の温度を保ち→
包丁を焼きます。
(水野)
760度よりも下で 焼きを入れるとどうなるかというと→
硬くなってくれないんです。
なまくらっていう状態です。→
じゃあ逆に 800度超えて
焼き入れやってしまうと→
どうなるかというと
熱が加わり過ぎるんで→
やわな状態になってしまう。
焼きが回るっていう。
鉄が 夕日の色のように染まった
その瞬間→
一気に水に放ちます。
こうする事で鋼に硬さが生まれます。
すぐさま 今度は
200度という低温で温めます。
鋼に 粘り強さが加わります。
(水野)硬くなった鋼をあえて もう一度→
軟らかくしてやる
必要があるんですね。
硬いままでは やっぱり

粘りがないんで→
やっぱり問題が起きてきます。
欠けたりだとか。
火に焼かれ 鍛えられる事で→
硬さと軟らかさを併せ持つ和包丁になっていくのです。
ここからは 研ぎ師の手に渡り→
生命線となる鋭い刃が作られていきます。
この道 60年の…
刃先の部分を削り鋼を研ぎ出します。
手の感触だけを頼りに
究極の切れ味を探ります。
最後に 堺で受け継がれてきた
特別な仕上げが施されます。
砥石を砕いた粉で
鋼と軟鉄の境目を 僅かに削る…
(南浦)ひと言で言うたら 女の人の
お化粧と一緒です これは。→
女の人が 化粧したように
紅を塗ったような→
メリハリが