2019/12/15(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「和包丁」[字]
また明日おいしさを生み出していきます。
♪♪~
あらあら 草刈さん!雨漏りでもしてるんですか?
いや 違いますよ。
料理に使えそうな 鍋や フライパンをね出してみたんですけどね。
ああ
随分たくさん出てきましたね。
いや~
道具ばかり買い込んじゃって…。
ええ~ こんなに増えちゃったよ。
それじゃあ その大きな寸胴鍋を使ってみたらどうです?
そうだ。
おやじさんの自慢だった豚汁 作ってみよう。
この包丁を使って
野菜いっぱい切ってさ→
鍋いっぱい… ああ 懐かしい味を
再現してみせるぞ!
新潟の山奥で暮らす
遠藤ケイさんです。
世界各地の人々の暮らしから
生まれた道具について→
研究しています。
和包丁については→
鍛冶職人の下で
修業してきました。
和包丁は
日本人の心象風景を呼び覚ます→
音を奏でるといいます。
(遠藤)子どもの頃に 朝 目を覚ますと→
台所で トントン トントンって
こう 音がする訳ですよね。
そうすると 「あっ お母さんが
料理してるな」って思うと→
何か 気持ちが安らぐんですよね。
それで また ウトウトッと寝たりする。
あの心地よさって
何だろうなと思ってたら→
やっぱり 包丁とまな板の関係だと
思うんですよね。→
多分ね 昔は みんな
当たり前のように→
いちょうのまな板を使ってた。→
それから 包丁は 和包丁をちゃんと使ってたんですね。
(まな板をたたく音)
(遠藤)いちょうのまな板っていうのは柔らかい音がする。→
何か
とてもいい音がするんですね。
今日 最後の壺は→
「まな板と奏でる 幸せのリズム」。
最高のまな板を追求している
人がいます。
木工製品をデザインし制作する
福井賢治さん。
福井さんが選んだのは いちょう。
その軟らかい性質に ほれ込んでモダンな まな板を作っています。
いちょうの木は 成長が早くて
とても軟らかいです。
年輪が密に詰まっていないので→
その分 包丁の刃にも優しいですし→
非常に緩やかな木目ですし→
その緩やかな柔らかいラインっていうのも→
いちょうの木独特の軟らかさに
反映されているんではないかな→
というように思いますね。
軟らかい性質を生かした曲線が→
福井さんのまな板の特徴です。
その第1号が 13年前結婚を機に 妻へ贈った→
いちょうのまな板でした。
片隅に 「キッチンが平和でありますように」と→
刻印を押しました。
ともに歩んだ歳月が刻まれています。
いちょうは 使い心地が柔らかい
しっとりしている→
弾力性があるっていう事を
実感するんですけれども→
音も やっぱり
優しい 柔らかい音がします。
いちょうのまな板の音は
ほかの木と→
どう違うのでしょうか。
聞き比べてみました。
(やや高い音)
ひのきは 目が詰まっていてやや高い音がします。
(やや高い音)
(高い音)
硬くて強い桜は 更に高音です。
(高い音)
そして いちょうのまな板。
(低い音)
(低い音)
カンカンカンっていう感じじゃなくって→
もうちょっと
フワンとしてるっていうか…。
優しいね いちょうの方が。
福井さんに 特別ないちょうのまな板を→
注文した人がいます。
創作和食に腕を振るう加藤和弘さん。
加藤さんご自慢の
存在感のある いちょうのまな板。
厚さ10センチ カウンターと同じ高さに