2019/12/16(月) 22:50〜23:20 落語ディーパー!〜東出・一之輔の噺(はなし)のはなし〜・選「あたま山」[字]
両方 並び立つ話芸っていうのは→
すごいなと思いますね。
東出さんは 落語を聞く時とか→
っていうのは
こんな落語聞いてみたいとか→
どういう基準で噺を…
CDとかね 聞く時っていうのは。
そうですね…。
例えば 今日は→
こんな気持ちだから
この落語とか。
既に知ってる噺ですと
もちろん 選ぶ時は→
その日の天候 季節。
天候?
はい。 例えば 今→
そうだな 花火大会行きたいなと思ったら 「たが屋」でしたり→
暑いなと思ったら「船徳」だったり。
すごいな。
何か 寒かったら
「二番煎じ」だったりとか→
そういうので選んだりします。
通ですな。
いやいや ちょっと待って下さい。
その 古きよき時代みたいなのを→
感じれるので
そういうので選んだりはします。
さあ そろそろ お時間という事で
今日 話してみて→
新たな発見はありましたか?
実は 芸談って ふだん→
全然しないんです
同業者同士でも。
でも 噺家さんたちが
考えてらっしゃる事は→
何か 幾重にもなってて
本当に勉強させて頂きました。
(笑い声)
<これからお届けするのは冒頭にダイジェストで紹介した→
「あたま山」のフルバージョン。→
しかし 番組の残り時間は3分。→
前半の山場の部分を
お聞き頂きます>
(拍手)
噺の方には ケチな人っていうのが出てくるんですね。
「何で頭の上に桜の木 おお~…」。
「えっ えっ えっ… えっ 何で?→
えっ 何で ばあさんは
桜の木だって分かったの?」。
「だって 花が咲いてるもの。
とても きれいよ」。
「え? 花が咲… あっ 本当だ!
咲いてる。→
えっ しかも 俺
しだれ桜じゃん。→
俺って おつだね」。
「おつよ! どうしてそんな事になっちゃったの?」。
「どうして… あっ あれだよ。
昨日 朝からさ 夕暮れ時まで→
落っこってる さくらんぼ
泥つきの 種つき→
これ 腹いっぺえ食ったんだよ。
それでかな」。
「それよ!
お水も いっぱい飲んだから。→
すっかり見頃になっちゃって
フフ…。→
ポッ」。
「『ポッ』じゃないよ ばあさん。→
潤むような目で
俺を見ねえでもらいてえな。→
何か 俺ね あの ちょいと
風に当たりたいような→
心持ちなんだよ。
ちょいと 散歩してくるから」。
さあ この吝嗇兵衛さんが
こんな なりでもって→
町内 歩きますからね
周りが驚いて…。
「誰…?」。
(笑い声)
「おい 源兵衛! 源兵衛!」。
「何だよ 太助」。
「いいから 来い! 早く来い!
すげえの出てる!」。
「何だよ うるせえな… ダァ~ッ!」。
(笑い声)
「信じらんねえ…」。
「しだれ…」。「しだれ桜」。
「あれ見ながら
一杯 やろうか?」。
「いいね! やろう やろう!」
なんてんで→
源兵衛 太助 2人が行って
話をするってえと→
「ああ いいですよ」なんてんでね
軽く引き受けると→
さあ この吝嗇兵衛さんを
真ん中 日当たりのいい所へ→
座らせますと