2020/02/09(日) 19:30〜20:00 ダーウィンが来た!「大冒険!清流の抱きつきガエル」[解][字]

うわ~!
カヌーが
宙に浮いているみたい。
水が とびっきり透明な
美しい川でしか見られない→
不思議な光景です。
日本屈指の透明度を誇る清流三重県の銚子川。 この上流に→
腕力自慢の
ある生きものが暮らしています。
人呼んで…
子孫を残すためオスがメスに抱きついたまま→
川を下っていくんですが→
あ~ 流された!
体を岩に打ちつけながら落下。
オスは どんな状態でも抱きついたまま離しません。
水中には…
続々と集まりオスとメスを引きはがそうとします。
あらららら カエルたちがくっついて
ボールになっちゃった。
清流のカエルたちの 命がけの大冒険です。
♪♪~
きょうの舞台 銚子川は
全長17キロ。
上流から河口まで
水がずっと透明なため→
「奇跡の清流」とも呼ばれる
美しい川です。
この川を愛してやまない人がいます。
日本を代表する自然写真家の…
全国の清流の生きものを撮影する


内山さん。
中でも ナガレヒキガエルは
とびきりのお気に入り。
近くに移住までして
毎年 撮り続けているんです。
やって来たのは 川の上流部の渓流。
あ いるね。 あれ あれ あれ。
さっそく見つけました。
全長10センチほどのオスです。
およそ40年前 この近くの森で
新種として発見された→
珍しいヒキガエルの仲間。
ふだんは 渓流近くの森の中で暮らしています。
うわっ! 一瞬で丸飲み。
わずか0.2秒の早業です。
今度はナナフシ。 大きな獲物も…→
パクリ。
口に入るものなら何にでも反応する
森のハンターです。
近くに ヘビがやって来ました。
強力な毒を持つ ヤマカガシです。
ナガレヒキガエルに近づいてきます。
カエルにとっては強敵。
口を大きく開くことのできる
ヤマカガシは→
自分より大きなカエルも
襲うことがあるんです。
あっ! ナガレヒキガエルが
体を大きく持ち上げました。
まるで お相撲さんの立ち合いの姿勢。


すると ヤマカガシは方向を変え 逃げていきました。
ナガレヒキガエルは
自分の体を大きく見せ→
戦わずして撃退したんです。
すごいですね~!
春になると このカエルたちが
ふだん暮らしている森から→
渓流へと移動します。
近くに 大きなカエルがやって来ました。
全長15センチほどもある メスです。
オスがメスのほうに近づいていきます。
メスに飛びつこうとしますが…
おやっ?
メスは嫌がって逃げています。
飛びつこうとするオスと→
逃げ回るメス。 まるで鬼ごっこです。
実は オスとメスそれぞれの事情があるんです。
ナガレヒキガエルが
産卵するのはこの渓流ではなく→
数百メートルほど下った
本流の深い場所。
メスにしてみれば できるだけ
身軽な状態で下りたいところです。
一方 オスは 一刻も早く
カップルになりたい一心です。
背後から近づくオス。
おっと 別のオスが乱入。
後からやって来たオスに
間違って飛びついちゃいました。
気を取り直して…。

おっと!
うまくいきました!
メスに悟られないようオスは後ろから気配を消して→
そっと近づくのがポイントのようです。
抱きつかれたメスは自分の力で逃げることはできません。
オスが
目いっぱいの力で抱きつくためです。
オスは 一度つかんだら
産卵が終わるまで→
自分から離すことは