2020/02/09(日) 19:30〜20:00 ダーウィンが来た!「大冒険!清流の抱きつきガエル」[解][字]


メスを がっちりと つかんだまま→
後ろ足は
ライバルを振り払う 空手キック。
この体勢で 襲いかかってくるライバルを

次々と はねのけていきます。
飛びつくオスも諦めません。
蹴られても蹴られても粘り強くアタックを仕掛けてきます。
こちらのカップルは
岩場の隅に追い詰められています。
うわ~ あぶれオスが次々と飛びついて


塊になってきました。
時に 10匹以上のオスが
飛びつく この状況。
「ガマ球」とも呼ばれています。
1対1では負けることのなかったカップルのオスですが→
こうなると身動きがとれません。
実は この状況メスにとっても死活問題。
水面に出て息継ぎができないと
死んでしまうんです。
何か音がしています。
カップルのオスが体を震わせて鳴らす威嚇の音です。
でも 周りのオスたちが
離れる様子はありません。
辛抱たまらず暴れるメス。
一瞬の隙をついてオスたちをはねのけました。
オスがケガをしています。
激しい闘いの中で皮膚がめくれてしまったようです。
満身創痍のカップル。
でも あぶれオスたちがしぶとく食い下がり またガマ球に。
容赦ない攻撃が続きます!
ああ… カップルのオスがはがされてしまいました。
無念のオス。
新たなカップルの誕生です。
ちょ ちょっと待った!
あ~ ヒゲじい。
やっぱり来ちゃいましたか。
そりゃそうでしょう!
あんなに苦労して
谷を下りてきたのに→
最後に引きはがされるなんて

ひどすぎますぞ!
だったら最初から ここでメスを待つ方が
いいんじゃないんですか?
確かに そう思いますよね。
でも こんなオスは そういません。
専門家によると
こうして引きはがされてしまうオスは→
わずか1割ほどなんだそうです。
えっ そうなの?
ええ。 オスの抱きつく力は とっても強く
簡単には はがされませんからね。
いち早くペアになるほうが
断然有利なんです。
へえ じゃあさっきのオスは 銚子川だけに
チョウシガワるかったってこと?
う~ん!
こっちの調子が狂います。
あらららら。 でも メスにとって
これは とんだ迷惑ですな。
いえいえ メスにとっては
むしろメリットもあるんですよ。
は? メリット? 一体どういうこと?
長年 このカエルを観察してきた内山さんによると→
メスは オス同士を競わせることで→
より強い遺伝子を残せるのではないかといいます。
つまり このおかげで いい相手に
巡り合えるってわけなんです。
う~ん なるほどねえ。
オスもメスも苦労をいとわず→
子孫を残すために必死なんですな。

カエルさんたち 頑張れよ~。
カエルたちの大騒動が落ち着いたころ。
一組のカップルが 深い川底の大きな岩の隙間に入っていきました。
メスが体を反らし始めました。
産卵をしているんです。
ここなら 卵が水に流されたり→
天敵に食べられたりする危険を減らせます。
でも こうした産卵に適した場所は
ごく僅か。
だからカエルたちは 森の中から苦労して
ここまで下りてきていたんですね。
産卵を終えたメス。
身軽にはなったもののもうフラフラです。
最後の力を振り絞り 森へと帰ります。
いや~ ホント お疲れさまでした。
ナガレヒキガエルの産卵場所のそばの岩に
何かが たくさんくっついています。
ふ化したオタマジャクシです。
岩の表面についた藻を盛んに食べています。
このオタマジャクシ
他のヒキガエルにはない特徴があります。
下から見ると
口の周りに いくつものヒダがあり→
吸盤状になっています。
流れの速い場所でも 岩に張り付いて藻を食べることができるんです。
独特の吸盤まで備えて
食べものが豊かな渓流で成長する→
ナガレヒキガエルの子どもたち。
大人になると 食べものは虫などの小さな生きものに変わります。
そのため オタマジャクシから