2020/02/09(日) 21:00〜21:55 NHKスペシャル▽感染はどこまで拡(ひろ)がるのか〜緊急報告 新型ウイルス肺炎[字]


排出している人がいると。
それが、感染症の流行の
拡大の程度を見極めるのに
非常に難しいことだと思います。
無症状の人たち
潜伏期間のある人が
感染性があるのかというのを
非常に議論されていますが
公衆衛生学的にはそれを科学的に証明するのは
それほど重要ではなくて実際に



接触した人が
誰から感染したかということを
きちんと言えるのが大事です。
2014年に
エイズの流行のときに
リベリアに行っていたんですが
エボラの場合は
どこから、誰から感染したか
分かっている。
だから、感染の連鎖を
追っていくことができるんですけど。
先ほどバスの運転手も
誰から感染したのは分かっていませんよね。
非常に重要で、そうすると
最初は渡航者から始まりますが
渡航者から接触者に感染して
そこから、さらに感染が進んでしまうと
この人は渡航者でも
接触者でもないんですよ。
そうすると
サーベイランスの網から
完全に
漏れてしまうことになるので
そういう軽い症状の人とか
症状のない人から感染が進んでしまうと
その先は、中国という
キーワードでも
全く見つかってこなくなるので
今、我々が心配しないといけないことは
そういうことが

日本の地域で起こっていないかということなんですね。
それは中国全土を対象に
サーベイランスを広げても全く
見えてこないことなので
その段階ではないと思います。
合原≫新型ウイルス肺炎
というのは見えにくい中で、日々
爆発的に増えていることもあり
インターネット上にもさまざまな声が拡散をしています。
それが更なる不安や
混乱の要因になっているのも
特徴です。
こちらはストリームグラフというツイッターの分析システムです。
この1か月
コロナウイルスに関連して
SNSにつぶやかれた
膨大な言葉を
可視化しました。
横軸が、日付です。
山が大きいほどつぶやかれた数が
多いことを示しています。
詳しく見てみますと
この中には間違った情報も含まれていました。
例えば、こちら。
「逃げた」という言葉。
これは、感染の可能性が
高い観光客が
空港から逃げたという
デマ情報についてです。
そして、もう1つ

27日に拡散しました。
「生物兵器」という言葉。
今回のウイルスが生物兵器というデマ情報なんです。
こうした状況をWHOは
不確かな情報が大量に拡散をするインフォデミックだと
警告しています。
押谷さんこうした事態というのはSNSが発達した
今の時代だからこそ
というものでも
あると思うんですけど
何に注意すべきですか?
押谷≫どうしても
みんなセンセーショナルな情報に
飛びついていくということが
あるんです。
政府も、きちんと説明しないと
今、我々が持っているツールでは感染の拡大を抑えるのは
非常に困難になっているし
広がっているのが見えていないところで
拡がっている可能性があるので
そういう1つ1つのことをどういう理由で
そういうことになっているか
政府が説明して国民に理解してもある。
そういうことによってデマ情報が
流れないことに
つながっていくと思います。
虫明≫こうした状況の中で大切なのは
新型ウイルスについて
正しく知ろうとすることです。
今回の新型ウイルスの致死率は