2020/02/09(日) 21:00〜21:55 NHKスペシャル▽感染はどこまで拡(ひろ)がるのか〜緊急報告 新型ウイルス肺炎[字]
中国でおよそ2.1%ですが
詳しく見ると武漢ではおよそ4%。
それ以外ではおよそ0.8%と内実は大きく異なります。
これまでに国内で確認された
人たちの容体からは
ウイルスの、どのような特徴が
見えてくるのでしょうか。
≫東京都新宿区にある
国立国際医療研究センターです。
武漢からチャーター機で帰国した
ほぼ全員を
検査のために受け入れました。
≫口開けてください。はい、声を出して。
≫あー。
≫のどの奥の粘膜を採取し
ウイルスに感染しているかどうか
分析しました。
その結果、陽性だったのは
764人中10人。
感染が確認された人は
いずれも60歳未満で持病もありませんでした。
患者の治療を行っている医師
忽那賢志さんです。
症状は、想像していたより
ずっと軽かったといいます。
≫忽那さんの診察から
多くの患者がたどる経過が詳しく分かってきました。
新型コロナウイルスは
上気道から肺にかけ増殖。
最初に現れる症状は
鼻水や、のどの炎症体のだるさなど。
その後、発熱。
症状は比較的軽いものの1週間以上続きます。
一部の人では
肺炎が見られました。
これは、実際の患者の
肺のCT画像です。
炎症を示す白い影が見られます。
≫武漢の重症化した患者の肺と比べると
白い影は、かなり薄く
軽症なのが分かります。
肺炎だと気付かないほど
症状が軽い人もいました。
≫武漢で患者が
日本より重症化している理由の1つとされるのが
年齢と健康状態の違いです。
中国の保健当局の発表によれば
新型コロナウイルスによる
死者の80%は、60歳以上。
持病の有無を調べると
75%の人が
糖尿病や高血圧などを
抱えていたことが分かりました。
さらに武漢では、患者の急増に
医療態勢が追いつかず
十分な治療を行えていないことも
重症化の原因の1つだと考えられています。
≫感染した際、重症化のリスクが
高いとされる高齢者。
介護施設では
対策が急がれています。
116人が暮らす、この施設。
平均年齢は80歳を超え多くは持病がある人たちです。
接する職員は、手洗いを徹底。
アルコールによる消毒も頻繁に行います。
有効とされる対策は
すべて行うようにしています。
さらに職員とその家族について
海外への渡航歴を調査。
≫中国に渡航した職員には
2週間、自宅待機してもらうことにしました。
≫今後
新型コロナウイルスの感染が
日本で拡大する
可能性はあるのか。
中国などの患者の追跡調査から
感染拡大のスピードを試算した西浦教授。
日本における今後の患者数の
シミュレーションを行っています。
≫現在、日本では
患者の感染ルートが追跡できている状態です。
しかし、感染ルートが
把握できない患者が出始めた場合
感染が劇的に広がる可能性を
指摘しています。
3週間で、軽い症状の人まで
含めると
患者の数は、およそ300倍。
その後、3か月程度増え続けると試算しています。
しかし、初期の段階で
マスクや手洗い
出社制限などを徹底して
感染のスピードを半分以下に抑えることができれば
ピークを遅らせ
さらにピーク時の患者数を3分の1にできる
可能性があります。
そうすれば、現在の医療体制でも
十分に対応できるだろうと
西浦さんは考えています。
虫明≫国内の感染者の症状は