2020/05/03(日) 21:00〜22:10 NHKスペシャル「調査報告 クルーズ船〜未知のウイルス 闘いのカギ〜」[字]


潜んでいたといいます。
≫その後
薬を受け取ることができた
小柳さん。
しかし、今度は
食欲不振や睡眠不足など
別の体調不良に悩まされ始めます。
≫隔離が長引く中
精神の不調を訴える声が増えていったといいます。
≫現場の診察でも
自殺を試みるといった
深刻なケースが

相次いで報告されていました。
今、自宅で過ごすことを
余儀なくされている中
新型ウイルス以外の
健康の問題にも
注意しなければならないと
石川さんは指摘します。
3月1日
ダイヤモンド・プリンセスの
すべての乗客・乗員が下船。
1か月に及んだ船内での闘いは終わりました。
3711人のうち712人が感染
13人が亡くなりました。
今も4人が重篤で
治療が続けられています。
武田≫クルーズ船の
対応については
当時、その混乱ぶりに国内外から


批判の声も上がりました。
国は、国内への
ウイルスの流入防止は
おおむね達成できたとする一方で
船内での経験を
今の感染対策に生かさなければ
ならないとしています。
武田≫13人が亡くなって
今も、4人の重篤の患者さんが治療を続けているということを
考えますと
このクルーズ船で見えてきた課題
大変、重いものがあると思います。
今、私たちが直面している
国内での状況に
どこまで生かすことが
できているんでしょうか。
牛田≫教訓として生かされたこと
いくつかあります。
例えば症状が突然重症化するウイルスの特性であったりとか
あと、感染者が急増したとき
トリアージ優先順位をつけないと
いけないということ。
これに迫られるということこれらは今も
医療現場で生かされています。
一方でクルーズ船の事態のあとに各地で、クラスターが
発生してしまったんですね。
このことを考えますとクルーズ船の段階で
よりもっと強く
警鐘を鳴らすすべは
なかったのかとも思います。

このウイルス先を見通す難しさが
すごくあるんですね。
ただ未知のウイルスであるがゆえに
現場で得た教訓であるとか
課題を含めて
より早く、より広く
共有していく大切さを
すごく感じました。
武田≫今後、長期的に
このウイルスと
向き合っていくうえで
重要なカギが
クルーズ船には
まだまだ残されています。
専門家たちの検証が続いています。
≫乗客が下船を始めた
クルーズ船の中で
ある調査が行われました。
それは、実際のウイルスの痕跡を調べ
感染の仕組みを大規模に探る
初めての試みでした。
調査に当たった
国立感染症研究所の山岸拓也さんです。
≫感染者がいた33の客室から
それぞれ10か所のサンプルを採取。
ウイルスの遺伝子が
残っていないか分析しました。
最も多く
ウイルスが見つかった場所は
ユニットバスの床です。

≫さらに、枕からも多くのウイルスが。
ほかにも電話の受話器や
テレビのリモコンにもウイルスがついていました。
そして、山岸さんが驚いたのは
症状が出ていない感染者の部屋からも
同じようにウイルスが
見つかったことでした。
≫この調査は
今後、家庭内での
感染を防ぐのにも役立つと