2020/05/03(日) 21:00〜22:10 NHKスペシャル「調査報告 クルーズ船〜未知のウイルス 闘いのカギ〜」[字]


山岸さんは言います。
≫では、ウイルスの感染力は
どのくらい持続するのか。
プリンストン大学の
研究チームでは
新型コロナウイルスを
さまざまな物質の表面に付着させ
どのくらいの時間
感染力が保たれるか実験しました。
その結果
ステンレスの表面では3日間、感染力が持続。
プラスチックでも
感染力は3日間持続しました。
これはインフルエンザウイルスと

比べると1.5倍の長さです。
≫クルーズ船に乗り込み
感染拡大の防止に当たった
岩手医科大学の櫻井滋さん。
感染防止のカギは大きく2つあったといいます。
その1つは


手洗いや消毒の徹底です。
櫻井さんはクルーズ船の現場で
持ち運び用の消毒液を配布。
乗員に、みずから
消毒を徹底するよう指導しました。
もう1つは、3密の解消でした。
食事中のせきや会話による飛まつで
感染が広がった可能性が
高いと考えた、櫻井さん。
食堂の
いすの配置を変えることで
飛まつが人に当たらないように
対策しました。
こうした対策などを講じたあと
乗員の発症は減少に転じました。
武田≫クルーズ船に対応した
医療関係者の多くが
今も現場で新型コロナウイルスと
向き合っています。
クルーズ船から得た教訓を
生かそうと、模索を続けています。
≫神奈川県の
新型コロナウイルス対策本部です。
クルーズ船の対応に当たった
DMATの阿南英明さん。
今、ここで指揮を執っています。
全国の医療機関で
あのときと同じ事態が
起きていると感じています。
≫クルーズ船での経験から

阿南さんが中心となって構築した
神奈川モデルという医療体制。
今、全国の自治体にも広がり始めています。
無症状や軽症の患者に
宿泊施設や自宅で
療養してもらうことで
医療機関の負担を軽くする仕組みも、その一つです。
≫しかし、この仕組みも
万全とは言えません。
軽症から急激に症状が悪化し
命の危険にさらされるケースが
相次いでいるからです。
未知のウイルスの正体がいまだ見極められない中
個人個人のリスクを
丁寧にみていく体制作りを
模索しています。
≫軽症の患者が急激に重症化する背景に
サイレント肺炎があると指摘した
自衛隊中央病院の田村さんです。
患者が症状を自覚する前に
医療が関わることも必要だと考えています。
感染が確認された人は少なくとも
酸素濃度などをモニタリングし
状態が悪ければ
早めの全身管理を行うことが
重要だと
田村さんは指摘しています。
≫クルーズ船から
100人以上の患者を受け入れた
この病院は

今、大きな問題になっている院内感染を防ぐ対策を
いち早くとっていました。
ふだん、感染症対応に従事していないスタッフには
防護服の着脱などの訓練を実施。
≫さらに、ゾーニングを徹底。
ウイルスに汚染された場所から
物を持ち出さないなど細かなルールも定めました。
基本的な対策を徹底すれば
新型コロナウイルスによる
院内感染は
防ぐことができるといいます。
武田≫やるべきことを
やっていれば、感染しない
感染させないという今のことば
大変勇気づけられますけれども
一方で、軽症から急激に
悪化するケースが出ているなど
不安に感じている人が
とても多くなっていますよね。
これ、どんな対応が