(ラジオ)「2月28日 金曜日NHK 今朝のニュースをお伝えします」。
一年の幕切れは突然のことでした。
子どもたちの間でも有名な 熱血先生。
この一年 全力で
子どもたちと向き合ってきました。
先生の心の中には
自ら命を絶った ある少年がいます。
いじられキャラを演じる苦しみを
誰にも気付いてもらえませんでした。
「もう 誰も死なせない」。
この教室では それぞれの悩みを語り合う授業を続けてきました。
いじめと隣り合わせの子どもたちの日常。
自分自身へのあきらめや 周囲の無関心が子どもたちを追い詰めていくといいます。
はじめの一歩!
どうすればいじめのない教室にできるのか。
どんな自分もあきらめず
お互いを認め合おうとした→
一年の記録です。
東京都心のベッドタウン神奈川県川崎市にある 東菅小学校。
527人の子どもが通っています。
去年4月クラス替えをした5年1組。
この教室に 一年にわたり
カメラを据えることにしました。
新しい担任になったのは 渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]信二先生。
とにかく 熱くて 涙もろいと評判でした。
クラスが始まった この日。
早速 厳しい声が飛びます。
聞いてる?
そうだろ?
そして 突然
渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生は ある宣言をしました。
…と 俺は思ってるんだけど。
「誰も のけ者にしない」。
先生の言葉に まだ多くの子どもたちは
あっけに とられているようでした。
どういうところ?
クラスが始まって1週間先生が職員室に戻った その隙に…。
何気ないちょっかいから
けんかが始まりました。
雄斗さんは この1週間
小さなトラブルを起こしたり→
授業中に 寝たりする姿が
目立っていました。
実は 先生は担任を引き継ぐ時→
「この子たちが 一部の荒れた子の行動やいじめで苦しんできた」と聞いていました。
低学年の頃から 授業に参加できず
孤立しがちだった雄斗さん。
自分でも それが当たり前になって
あきらめかけていました。
でも 渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生は あきらめず
事あるごとに 声をかけ続けます。
この日の算数の授業。
グループを作り 問題の解き方を教え合うことになりました。
雄斗さんは グループを作れません。
周りの子も雄斗さんに声をかけることはありません。
ところが…。
俺はね 右スライド方式は掛ける〇〇で→
左スライド方式は 割る〇〇だと思った。
ってことは 似てるってことね。
俺は そう思う。
子どもの ちょっとした変化にも目を配り言葉をかける 渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生。
その接し方は
時に 大げさに見えることもあります。
一体 なぜなのか。
それは 10年前に起きた一人の少年の死が きっかけでした。
川崎市の中学3年生だった
2010年6月7日→
自ら 命を絶ちました。
「何が 真矢さんを追い詰めたのか」。
当時 教育委員会にいた渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生は
調査を担当しました。
自分の教え子を亡くしたように感じた
渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生。
生徒や先生への聞き取りを行い→
真矢さんが好きだった漫画や歌まで調べました。
「どう生きたかったのか」を
知るためでした。
浮かび上がってきたのは
「困っている人を助ける」→
そして 「夢は警察官になること」と
友達に話していた→
正義感の強い真矢さんでした。
しかし学校での姿は 大きな落差がありました。
周囲の求めに応じて
「いじられキャラ」を演じ→
自らを 「何事にもためらいがちなヘタレ」
と語っていたのです。
自分へのあきらめは 募っていきました。
そして ほとんどのクラスメートは→
真矢さんの気持ちに
気付いていませんでした。
渡[外:045CBE9800918CD49A154D182583337B]先生は
象徴的な出来事に目を留めます。
国語の課題として 物語を自分で作り
発表した時のことでした。
朗読の途中で
からかいの笑いが起きたのです。
いじられキャラの真矢さんに対する
周囲のいつもの反応でした。
真矢さんは 最後まで読まずに