2020/12/13(日) 04:30〜05:00 イッピン・選「名匠への道 琉球の技は生き延びる〜沖縄 工芸品〜」[解][字]


今は 少し やっぱり…
宮城さんの仕事にも→

新型コロナウイルスは大きな影響を及ぼしました。
紅型の小物の販売店など
多くの店舗が休業。
仕事は 注文を受けていた
着物や帯だけになりました。
そんな時 「紅型のデザインで
マスクを作れないか」という話が→
紅型職人たちに持ち込まれました。
宮城さんは すぐに この企画に賛同。
すでに作ってあった
着物のデザインを使って→
マスクを作ることに。
しかし 着物用のデザインを→
そのまま使うことには
問題がありました。
マスク用に小さく裁断した時→
中には柄の少ないマスクができてしまうことに→
気付いたのです。


宮城さん この白い部分に→
模様を描き足すことにしました。
これで 紅型らしいマスクに。
こんな時だからこそ
何か役に立つことをしたい。
その思いを かなえることができました。
宮城さ~んお久しぶりで~す。
お久しぶりです。
元気でしたか?
(宮城)うん あの 元気です。
野村さん今回は東京からリモートインタビュー。
これ すごい すてきですね!
ありがとうございます。
実は 僕は…
7月のある日 糸満市から→
北へ およそ40キロの場所に
宮城さんはいました。
読谷村に オープンしたばかりの
リゾートホテル。
コロナの影響で
開業が2か月 延びていました。
ここに 宮城さんが
初めて手がけたものがあります。
それは全ての客室のベッドルームに
飾られていました。
壁紙です。
宮城さんが染めだした4種類の原画をプリントしたものです。
長さは3メートルから
7メートルのものまで。
ふだんの仕事より

はるかに大きなサイズなので→
まず 型紙作りに苦労しました。
着物の場合→
およそ30センチ四方の→
型紙を作ります。
壁紙では それを→
90センチ四方にしなければなりませんでした。
面積にして 9倍の大きさです。
着物用の柄を→
そのまま
拡大しているわけではありません。
一見
同じように見えますが→
花の数を増やし→
その周囲に新たなモチーフを→
描き加えてあるのです。
その一つが読谷村で盛んな焼き物の窯。
こちらは その器を使って→
お茶や お菓子を楽しむ光景。
画面に 物語が生まれました。
4種類の壁紙の中でも→
仕事のうえで大きな飛躍となったものが
こちらに。
部屋に飾られているのを見るのは
この日が初めてです。
南国の花 サガリバナが
咲き誇っています。
でも この花 紅型で→
モチーフに使われることは珍しいんです。
サガリバナの花は→

沖縄の夏の夜 一晩だけ咲きます。
花から飛び出した無数の細い おしべが→
フワフワと風になびく姿は→
幻想的 神秘的です。
この たたずまいをいつかは紅型で表現したい。
それが 宮城さんの念願でした。
でも それは想像を超える難しさだったとか。
中でも苦労したのが 型紙。
おしべの細さは 1ミリ以下。
それが 風に揺れて
四方に動くさまを表現するためには→
細心の注意が必要です。
1か月間この型紙作りに没頭したといいます。
この表現が…
どうしても出ちゃう。
この お花のところ。
どんどん難しい仕事 やっぱり。
困難を乗り越えるたびに
成長できたという宮城さん。
コロナの衝撃にも耐え→