篠田守男が→
ある日　工房でね　彫刻作ってたら→
「ろっぺい君はあれだね。彫刻家としても　きっと大成するけど→
芸能に向いてるんじゃない？」って
言ったんですよ。ああそう。
それで　しばらくしたら
偶然　「朝日新聞」に→
「状況劇場　スタッフ　キャスト募集」って
出たんです。
「状況劇場」だ。
唐十郎の。唐十郎先生。
根津さんとか　小林　薫さんとか
麿　赤兒さんとかね。
で　偶然受かって。

でも　あとで聞いてみたら→
溶接の免許があるんで
こいつ採っとけば→
テントって　くいが鉄なんですよ。
くいの鉄なんかを　全部　あいつに作らせて直さしてやれば　金かかんないっていう→
そういう　悪だくみなんですよ。


はあ～！
ふざけんなよ！
ハハハハハ。細かい計算を→
向こうもなさったもんですね。
するんですよ　貧乏劇団ですから。
で　芸歴　どれぐらいになるんですか？
僕は～　４５年ぐらいですか。
４５年。　で　その間にね
その状況劇場にいらっしゃっても→
そうすると　毎日大変でしょ？
師匠　あれですよ→
１年３６５日　休みが一日もない。
うん。そんな劇団ないんですよ。
春秋公演のほかは
稽古場発表のために→
休み中ず～っと
芝居の練習するんですよ。
ほな　劇団同士なんていうのは
ぶつかり合ったりするんですか？
あの　状況劇場と天井桟敷が…→
寺山修司さんとかケンカなんて言ってますけど→
実は　ものすごい仲がよくて
寺山修司さんのことを→
うちの唐十郎は　兄貴のように慕って。
あの～　阿佐ヶ谷の河北病院に入院されてる時も→
僕　ちょうど　運転手やってたんですよ
唐さんの。　３年間ぐらい。
で　乗っけて　お見舞い…
亡くなる日も行きましたね　病院に。
唐さんを乗っけて。

ほいで　バイトも幅広くなさった。
やりました　バイトだけは。
３００ぐらい　やりましたね。
３００もバイトやってりゃ
どんな仕事でもなさった。
高速道路のドブさらい。
ええ～　いろんなお葬式の大工。
ファッションショーの大工。
ビル掃除。へえ～。
あとは　石原裕次郎さんのお葬式とか
青山斎場。
青山の斎場で何作ってたんですか？
大きな裕次郎さんの写真をつないで　起こして→
あのガルウイングのベンツ　全員で…
動かせないから　持ち上げて→
ひな壇にのっけたり。
こういうふうに開く　ベンツの。
それを持ち上げて。　へえ～！
そういうアルバイトを２００から３００ぐらいやったんだ。
いろいろやりましたね。
それを　その～それでも続けていこうっていうの→
それを　もたしたものは何なんですか？
それは　師匠　やっぱり　若さですね。若さ。
今の年だったら　もう
３日で辞めてますね。
やっぱり若いから
その唐十郎という本書き　天才本書きの→
本をできるじゃないですか
その劇団にいれば。
お金はもらえないけど。

唐さんにも接する　唐さんの演出も見れる。
本も　小さな役でもやれるみたいな。
やっぱり　そのカリスマ性のある　一人の唐十郎という作家の周りにいれる→
そのすてきさっていうか　すばらしさを→
若さが　やっぱり追求してたんだと思いますね。
なるほど。　でもねえ
そういうふうにね→
いい人に巡り会えるっていう。
それで自分の方向が決まっていった。
そうですね。
ねえ。
2020/12/13(日) 05:15〜05:45
ＮＨＫ総合１・東京
桂文珍の演芸図鑑　選「六平直政　春風亭昇々　三遊亭志う歌」[字]

落語家・桂文珍がナビゲート。演芸は落語２題。春風亭昇々「浮世床〜夢〜」三遊亭志う歌「鈴ヶ森」。対談ゲストは俳優の六平直政。初回放送は２０２０年８月２日

詳細情報
番組内容
落語家・桂文珍が、演芸界えりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は落語２題。春風亭昇々「浮世床〜夢〜」三遊亭志う歌「鈴ヶ森」。対談ゲストは俳優の六平直政▽名バイプレーヤが語る自分史▽彫刻家を夢見る六平青年が俳優に転身。その驚きの過去全公開▽唐十郎主宰の状況劇場ですごす若き日。六平さんの見たアングラ演劇全盛時代。寺山修司との以外なエピソードとは▽経験したアルバイトは３００以上。あの葬儀の設営も…など
出演者
【出演】六平直政，春風亭昇々，三遊亭志う歌，【ナビゲーター】桂文珍


ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
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