2020/12/13(日) 11:00〜11:15 【連続テレビ小説】おちょやん「第2週 道頓堀、ええとこや〜」[字][再]


お父ちゃんのこと嫌いやのにお父ちゃんの子供やて自慢すんのけ?
そらそやけど…。

ある日 お使いで訪ねた先で千代ちゃんは初めてお芝居を目にします。
(百合子)私には
神聖な義務が ほかにあります。→
何より第一に 私は人間です。→
少なくとも これからそうなろうとしてるところです。
(大宮)今 日本で
一番勢いのある女優さん→
高城百合子や。 べっぴんさんやろ。
満足してはいられません。
自分で何でも考えて
明らかにしておかなくちゃなりません。
女優…。
あと一目でええさけ。(玉)あかんて。
千代ちゃん すっかり
とりこになってしもたみたい。
(熊田)この芝居の台本や。
しっかり働いて…→
あとは


お客さんとして おいで。
へえ!
おおきに!
台本 貰たはええけど 字読まれへんやん。
ああ~っ!
しゃあない 一平君に協力してもらお。
できたで。
あ い う え おの言い方くらい
知ってるやろ。
俺には分からんなあ。
芝居の どこがええねん。
キラキラして きれいで→
本物のかぐや姫ちゃうかて思たんや。
ある晩
天海さんを迎えに行った時のことです。
一平のこと 親友やて言うてくれたそやな。
あいつは わしのせいでお母ちゃんも 友達もおれへん。
さみしい思いさしてんのや。
この先も頼むで。
おおきに!
天海さん? 天海さん?
大正5年 暮れ。
初代 天海天海は33歳の若さで この世を去りました。
(鉦の音)
彼の名は 須賀廼家万太郎。
この後30年 日本の喜劇界に
君臨し続けることになる喜劇の帝王です。
ほんに人の世は
笑えん喜劇と→
笑える悲劇の

よじれ合いや。
よじれんのは
腹だけにしたいもんやなあ。→
ハハハハハハハ!
小林のおっちゃん。(辰夫)お~。
一方 千代ちゃんは 河内の小林さんから
思いがけない話を耳にします。
テルヲらな 夜逃げしくさったんや。
借金膨れ上がったとかで→
ヤクザ者みたいなんが
毎日 取り立てに来よってな。
何やね それ…。
うち 何のために…。
よろしいな 鰻谷の大野屋さんに
お渡しするのやで。
はよ行きなはれ。
へえ。
届け先へ向かう途中…。
う~っ!
う~っ!
死ぬんけ?
あ~っ! 何で俺が死ななあかんねん。
お父ちゃんの後 追うのとちゃうんけ?
あんなやつの後なんか
死んでも追いたないわ。
あんたのお父ちゃん
あんたのこと気ぃもんでたで。
あんたに謝っとった。
そんなこと 信じない。
俺 あいつのせぇで

お母ちゃん いてへんのやで。
あいつのせぇで
学校にも行かれへんかった。
みんな あいつのせぇや…。
そやのに 何で悲しいねん…。
(泣き声)
ええやんか! 最後に お父ちゃんに気ぃもんでもらえただけで!
あんたが羨ましい…。
羨ましい…。
(泣き声)
クビだす。
シズさんに頼まれた届け物
えらい遅なって→
相手さんを怒らしてしもたんやそうです。
このキセルはな 大野屋の旦那さんが→
長いこと ひいきにしてきはった
役者さんに贈ろ思て→
あちこち探し回ってはった
珍しいもんだす。
その役者さんはな 廃業して