2020/12/14(月) 08:00〜08:15 【連続テレビ小説】おちょやん(11)「うちのやりたいことて、なんやろ」[解][字]


姐さんたちが食べ終わる頃には→
冷めてしまうやろが!

(里子)はい!
「はい」やのうて 「へえ」!
へえ!
(みつえ)この鯛 おいしいわあ。
(宗助)みつえの大好きな荻野堂の栗もなかもあるさかい→
後で よばれよな。
お父ちゃん おおきに。
旦さん。
いつも言うてますやろ。
あんたは みつえを
甘やかし過ぎだす!
また 怒られてしもた。
(ハナ)宗助さん。はい すんまへん お義母さん。
わての分も
栗もなか あるやろか。
もう お母ちゃんまで!
(ハナ)アハハハハ! 堪忍堪忍。アハハハハハハ!
改めて皆さんにご説明しておきますね。


この岡安はハナさんと先代の旦那さんが→
本家の福富から
のれん分けさしてもろたお店です。
先代は はように亡うなってしもて→
ハナさんは 女手一つで店を切り盛りして苦労しはりました。
一人娘のシズさんは
岡安を引き継ぐことを決心。
お茶子として働き
ハナさんから厳しゅう仕込まれました。
お客さんとして来はった宗助さんが
そんなシズさんを見て一目ぼれ。
お婿さんとして岡田の家に入り→
岡安は シズさんと宗助さん夫婦に引き継がれたというわけなんです。
みつえ あんたも来年は→
もう 女学校 卒業する年になりますのやで。
うちは お母ちゃんみたいに
この岡安の女将になります。
ほうかほうか。 女将になりたいてか。
うんうん。 フフフ。
ほんまに斬りやがったな。
この8年すっかり芝居好きになった千代ちゃんは→
忙しい仕事の合間に
よう こないして のぞき見してました。
ええかげんに だだけさんせえ。
言うてええことと 悪いことがある。→
何で おやっさんを斬らなならね。
(小声で)しもた~。
しもた~!
舅殿 堪忍さらせ!
♪♪~

いづみや!2代目!延四郎!
(拍手と歓声)
いっ…! 熊田さん。
(熊田)のぞき見は あかん言うて→
何べんも何べんも何べんも何べんも何べんも言うてるやろ。
よろしやろ
ちょっことくらい減るもんやなし。
あかん言うてるやろ。 立て。
しっ!
はあ… どやった? 今日の芝居は。
まあまあだすな。 中日過ぎて 役者さんら何や ちょっと手ぇ抜いてはるみたいで。
相変わらず偉そやなあ 自分。
あっ けどあの早川延四郎いう役者さんだけは違う。
芝居に鬼気迫るもんがあって。
やっぱり分かるか?
この興行は あの早川延四郎
最後の舞台なんや。
芝居から足洗て 国に帰るみたいやな。
(鐘の音)
悪い人でも舅は親。
親爺どん ゆるしてくだんせ。
♪♪~
いづみや!いづみや!延四郎!
♪♪~
(伊藤)これ少ないけどな。おおきに。
おおきに。
(伊藤)あの早川延四郎の最後の芝居やさかいな→
まあ 見といて損はないわ。
ハッハッハ! 女将もな。→
アハ… あかん あかん

つい はしゃいでしもた。
お気遣いには 及ばしまへん。
(伊藤)ほなら また寄らしてもらうよってな。
(シズ)お待ち申し上げております。
(千代 玉)おおきに ありがとさんでございました。
千代 ちょっと来なはれ。
へえ。
うち また なんぞ
やらかしてしもたんやろか。
お芝居のぞいてたん バレたんと違う?
(シズ)あんた どないするつもりだす?
すんまへん。
確かに お芝居のぞいてましたけど→
油売ってたわけやのうて
何ちゅうか その…→
お客さんとの話を合わせるために…。
また のぞいてましたんか。へえ。 あれ?
そないなことやのうて 年越したら
あんたも数えで18の年になる。
数えで18になったら年季明けいうのが