2020/12/17(木) 11:00〜11:30 美の壺・選「福を呼ぶ“大そうじ”」[字]
イネ科の植物。
使うのは その穂の部分。
1本ずつ手摘みされ→
3日ほど天日干しした後に
室内で乾燥。
穂の先が
そのまま箒の先端になります。
この縮れが 細かなゴミまで
からめとるのです。
山田次郎さんは
日本有数の箒職人。
手箒の作り方を
見せてもらいました。
手箒は
複数のパーツで構成されています。
まず 穂を数本束ねた玉を
3つ作ります。
続いて
穂を編んで 耳を作ります。
手箒に角度をつけるための
パーツです。
ただ束ねただけでは
曲げると折れてしまうため→
糸を通して編む事で
強度と弾力性を持たせます。
完成した4つのパーツ。
これを1つにまとめます。
で もう一つ つけます。
♪♪~
先ほど作った耳の部分を→
箒が床に垂直に当たるよう→
曲げていきます。
そうやんねえと これ 角度がねうまくいかないんですよ。
穂先の広がりを糸でとじる事で
更に角度をつけます。
♪♪~
しっかりと編み上げられた箒は耐久性に優れ 10年は使えます。
やっぱし 自分の中の…→
10本作ったって気に入ったのは→
1本ぐらいっきゃ
出来ないからね。
人が見たとこじゃ
同じようだけどね→
自分がいいなと思うのは
1本ぐらいっきゃ出来ないですよ。
使いやすさを極めて生まれた形。
職人の知恵と工夫の結晶です。
いや 僕は 実はね
ハタキより箒がけの方が得意なのよ。
目に見えて きれいになる。
もう 箒 大好きよ。
へえ そうだったんですか。
じゃあ その辺りも確認してみましょうよ。
えっ?
いや~ 年末の大そうじって本当 大変ですよ。
え~ 毎年やってる事なのに→
どうして こんな いつまでも終わらないんでしょうね これ。
大好きと言う割には
愚痴ばっかり。
本当 そうじ大変だよね。
箒で掃いたら 拭きましょう。
東京・武蔵野にある観音院は→
江戸時代初めに創建された禅寺です。
朝7時 たすき掛けをする…
(太鼓の音)
作務太鼓を打ち鳴らすと
お寺のそうじが始まります。
(太鼓の音)
座禅の会に集まった人たちが→
雑巾で
本堂の隅々まで拭き清めます。
このお寺では 拭きそうじに
3種類の布を使い分けます。
床を拭くのは いわゆる…
年季が入ってますね。
家具や障子の桟を拭く…
大事なものや畳のから拭きには→
一番きれいな浄巾を使います。
仏具を拭くのは浄巾。
漆塗りの大きな香炉を
丁寧に磨き上げます。
そして 最も汚れる床には
しっかり雑巾がけ。
板の間を拭く時は→
板の向きによって拭き方を変えるのがコツ。
板の目が横の場合は 横拭き。
木目に雑巾が引っ掛からずスムーズに拭けます。
板目に合わせて拭かないと→
余計な力が必要になってきますし拭きづらい。
ですからね やはり…
…っていうんでしょうかね。
日本に
そうじの習慣が根づいたのは→
鎌倉時代。
禅を広めた道元禅師の教えによるものでした。
道元いわく→
「人間は放っておくと身勝手な事ばかりして→
身の回りの事をおろそかにする」。
丁寧にね 拭けば→
拭いたという その結果が