2020/12/18(金) 08:15〜09:55 あさイチ「プレミアムトーク 山本文緒」[字]


チヅ≫あんちゃん金ためてんねやろ?
それはジョゼの注文を聞いて
相手をするという
アルバイトでした。
乗り気ではなかった恒夫でしたが
留学資金のため
しぶしぶ引き受けることに。
恒夫≫あ…
何すればいい?
ジョンだっけ?


ジョゼ≫ジョゼや。あ…!
恒夫≫ジョゼ?
ジョゼ≫見たら、しばく。
しっかり働きや。
恒夫≫う…。
ジョゼ≫畳の目を数えろ。
恒夫≫はあ?
ジョゼ≫いくつ目があるか
気になって夜も眠れへんねん。
それから1か月の間
ジョゼの無理難題を
文句を言いながらも
素直にこなす恒夫。
ジョゼ≫四つ葉のクローバー
集めてこい。
恒夫≫四つ葉四つ葉
四つ葉四つ葉…。
ほら。

ジョゼ≫なんも起こらんな。恒夫≫ん?
ジョゼ≫10本集めたら願いが
かなうなんて迷信やったんやな。
恒夫≫願い?
ジョゼ≫なあ、ばあちゃんそろそろまた散歩に…。
チヅ≫あかん!また背中
押されたらどないすんねんな。
えーか、外は…。
≫外は恐ろしい猛獣ばかり。
ジョゼ≫やろ?分かっとるわ。
恒夫≫こんにちは。
そんなある日、恒夫が

いつもどおり家を訪ねると
ジョゼの姿が見当たりません。
恒夫≫どうしたんですか?チヅ≫あんちゃんくみ子がおらん。
恒夫≫え?
小林≫ということでちょっと
ジョゼのほうは、辛辣で恒夫に
強く当たることが
あるんですけれど
恒夫は、遠慮することなく向き合っていく
ということなんです。
生き方と夢を通じて
青春の甘さ、苦さを
描いているものです。
山本さん、これは
田辺聖子さんの原作で
実写映画化もされているんです
けれど。
山本≫原作も読みました。
映画も見ました。
原作はすごい名作中の名作で
つい最近読み返して若いときに読んだのとまた違って
本当に新たに感動して
こういうアニメで若い方がまた
読んでくれたらいいなと思います。
小林≫田辺さんは山本さんが受賞したときの
審査員だったんですね。
山本≫もったいないおことばを
いただいて感激しました。
小林≫「ジョゼと虎と魚たち」
短編としての魅力はどうですか。

山本≫人物造形といいますかジョゼはことばが辛辣なんです
けれど、表のことばと裏にある
ものの繊細さが
くるくるくるくる回って
それが回ることによって
小説全体がキラキラしているん
です。
宝石みたいな小説です。
小林≫主人公のことばの
魅力ですね。
山本≫ことばの裏にあるものです。
裏が表になったり
裏になったり
人間の感情の機微みたいな
前の映画みたいに私は
誰の言いなりにもならないって
コピーがぴったりだと思います。
小林≫27ページぐらいの
小説なんですね。
実写は膨らませているんです
けれどアニメの実写とは、別の膨らませ方
見たあとの感想も違うんですね。
実写が好きな方も魅力的な作品だと思います。
見どころとして
ジョゼと恒夫の声優さんを
朝ドラでもなじみのお二人が
演じていらっしゃいます。
メールをいただいています。
埼玉県30代の方です。
先月、東京国際映画祭の