♪♪～（テーマ曲）
♪♪～
（桜子）達彦さん…。
♪♪～
（泣き声）
♪♪～
（仙吉）坊ちゃん！？（野木山）大将！？
坊ちゃん！
よう　お戻りになりました！
よかった～！　夢のようだわ！
どこで　どうなさっとったですか～！
いや～　女将さんの一周忌に
帰ってこられるっちゅうのも→
これも　何かの因縁ですわ。
（達彦）一周忌？
（野木山）あ…　いやいやいや…。
達彦さん。
お母さん
１年前に　亡くなられたの。
♪♪～
去年の今日でした。長患いの末　静かに。→
ここにおられる若女将が→
１年半　付きっきりで看病しておくれました。→
坊ちゃん。　若女将は　今でこそ
店を出ておられますが→
長い戦争の間
店のため　坊ちゃんのため…。
仙吉さん。
少し　一人になりたいんだ。
♪♪～


一人にさせてくれ。
♪♪～
若女将。
♪♪～
あんまり気になさらんで下さい。
ありがとう。
明日　また　おいでて下さい。
♪♪～
店の者から大体の事情は　聞きました。
「山長」存続のために→
ご尽力して頂きありがとうございます。
（タネ）私らは
何も　しとりませんよ。
ただ　当主の座に　松井家の人間が
誰か　座っとらんと→
格好が　つかんから
座っとっただけです。
（利雄）まあ　まさか帰ってくるとは
思わなんだけどなあ。
大将が　帰ってこられたです。
…となれば　法律上も　道義上も→
大将が　当主の座につくのが
道理です。
分かって頂けますね。
分かっとります。
姉さんも喜んどるでしょう。
頑張って下さいよ　達彦さん！
大将。　帳簿を　ご覧になりますか？
今　抱えとるのは　樽１０本です。
何せ　大豆の配給が


さっぱり　当てに　ならんもんで…。
（杏子）達彦さんに会った！？
達彦さん　帰っとらした！？本当かん？
うん。
そう。　よかったねえ！
達彦さん
生きて帰ってらしたんだねえ！
（浩樹）どうしたんだ？
桜ちゃんが婚約しとった人→
達彦さんがね
生きて帰ってこられたですって！
ねえ　桜ちゃん！
は～　そうか！　いや～　てっきり→
戦地で　亡くなられたのかと
思ってたんだが…。
随分　心配したけど　桜ちゃん→
これで　達彦さんと一緒に　なれるね！？
どうだろう？
どうして？
だって　あんただって達彦さんの事
待っとったでしょう？
達彦さんだって　そうでしょう。
何だか　おかしかった。
今日　達彦さんが
えらく遠くに　見えた。
近くに　おるのに…　えらく遠くに。
♪♪～
　回想　
（砲声）
（悲鳴と発砲音）

（爆撃音と塹壕が崩れる音）
（悲鳴）
（荒い息遣い）
（荒い息遣い）
（２人）ご大儀さんです。
どうですか？　大将の様子は？
さっきから　ずっとあそこに　おられるんだ。
あの～　大将。
何だ？
若女将が　見えとられます。