2020/12/18(金) 22:00〜22:45 ドキュランドへようこそ 選「戦地のスキーヤー」[二][字]


(アリシャーの父)先祖代々この生活を受け継いできました。
土を耕すことで心が落ち着く。

それが我々の暮らしです。
(アリシャーの父)アリシャーには
やめろと言いました。→
スキーなんか やるなってね。→
そしたら あの子は スティックを持って一日中 姿をくらまして…。→
スキーのおかげで
この暮らしから抜け出せたんでしょう。
家族の中で ちゃんと教育を受けた人間は
僕だけなんです。
父が若い頃は 僕と同じような経験は
できませんでしたし。
僕たちと親の世代との間には
とても大きな隔たりがあります。
生活が変わったことを 全然分かってない。
(動画の音声)
アフガニスタンが発展するには 過去や
古い考えにとらわれてちゃ駄目なんです。
この国は ずっと


憎悪と戦いと分裂ばかりでした。
僕たち若者が 新たな未来を
見いだしていかなきゃならないんです。
♪♪~
夏の間 ずっとスキーがしたくて たまりませんでした。
サンモリッツに戻ってきて
新たなシーズンの始まりです。
以前の僕らは 本当に下手くそで→
レースに出場するなんてとても無理でした。
でも今や プロの選手とだって
張り合えるくらい→
上達していると思います。
明日 サンモリッツで世界選手権の予選があります。
オリンピックに次ぐ 大きな大会です。
選手たちは国も実力も さまざまですが→
中には 僕たちと同じくらいの
レベルの選手も→
いるんじゃないかと思います。
せめて 最下位は避けたいですね。
(ビープ音)
♪♪~
(ビープ音)
今回の世界選手権の予選では→
たくさんの新聞が 僕らのことを取材して
記事にしてくれました。
でも アフガニスタンからは
誰も来てなくて…。
同胞の応援があったら
うれしかったでしょうね。
僕たちの苦労を… 理解して

分かち合えたんじゃないかと思います。
でも あの場には… 誰もいませんでした。
♪♪~
♪♪~
アリシャーのことは知ってます。→
スキーで1番になって
今は 外国にいるって。→
僕たちも
アリシャーみたいになりたいです。
あんなふうに かっこよく。
僕も。
僕は スキーが大好きです。
1年間 スキーして→
学校へ行くのは 次の年でいいや。→
山に登って 麓の方を見てみたら→
人が 変なアリのように見えました。→
みんな アリの家に住んでる。
僕たちは 年に2か月
サンモリッツで過ごして→
バーミヤンへ戻ってくるんですが→
バーミヤンでは まだ数か月スキーシーズンが残っています。
そこで 向こうで学んできたことを
地元の人たちに教えようと考えました。
初めは 10人程度でしたが→
今では 200人ほどがスキーに親しんでいます。
男性も 女性も 子どもたちも→
たくさんの地元の人が挑戦しているんです。
このスキークラブには
パシュトゥン ハザラタジクといった→
アフガニスタンの

さまざまな民族が集まっています。→
僕は このクラブに参加するまで→
女性と肩を並べて何かをしたことがありませんでした。→
男子と女子が一緒にスキーをするなんて
信じられないことだったんです。
(ファティマ)アフガニスタンでは
「女性は働けない。→
家を離れてはいけない。
そんなことをしたら→
首を はねられてしまう」って
言う人もいます。
でも たった2年で
24人の女性スキーヤーが誕生しました。→
その数は
もっともっと増えていくはずです。
♪♪~
僕たちが始めたことはスポーツによる革命です。
爆弾やタリバンっていう
どうしようもない現実から離れて→
自分なりの幸せを見つける手段なんです。