2020/12/19(土) 13:05〜13:50 麒麟(きりん)がくる(36)「訣(けつ)別」[解][字][デ][再]
朝倉たちに→
一気に信長様を攻めさせようとの
魂胆とにらんでおりますが いかがか!
わしは そこまで思うておらぬ。
それが甘いと申し上げておるのじゃ!
何が甘い!
大~甘じゃ。
お育ちのよろしい方々は
そういうところが手ぬるい。
そもそも 柴田様も佐久間様も→
本心で松永を討ちたいと思われますか?
さて 厠へ行くとするか。→
明日は近江へ戻って浅井を討つ算段じゃ~!
猿めが!
長居をいたしました。いえ。
こたびは いろいろ やっかい。
何かと相談に乗って頂きたい。
喜んで。
一度 申し上げようと思うていたのだが…。
比叡山を攻めた折 殿は 叡山の者は
ことごとく殺せと命じられた。
だが 明智殿は 女子と子どもを助け
戦のあとで→
それを殿に
はっきり申し上げたと聞きました。
こたびの戦も 明智殿の思うところを
殿に直言して頂きたい。
それを申し上げたかった。
では。
(佐久間)待たせた。
元亀2年から元亀3年にかけ→
大和の松永久秀は
筒井順慶ら近隣の幕府方と→
戦を繰り広げていた。
その松永に対し→
足利義昭と幕府は→
鎮圧に乗り出そうとしていた。
(三淵藤英)おお 参られたか。→
公方様もお待ちかねじゃ。
広間でございますか?
庭じゃ。 庭で これをやっておられる。
(足利義昭)セイッ!
(小姓)恐れ入りましてござります!
もう音を上げるのか。
張り合いのないやつじゃ。
公方様が… 剣術を。
兄君の義輝様は 剣の達人におわした。
公方様は ここのところ
それを気にされていてな→
戦に行くにも
多少の心得があった方がよかろうと→
剣の心得がある者を捕まえては
指南を受けておられる。
兄君は兄君。 公方様は公方様なのだが…。
私はよいと思う。 公方様は武家の棟梁。
諸国の大名たちに侮られるようでは困る。
そういう心構えの表れと拝察しておるのじゃ。
摂津殿を追放して以来 ご自身の役割を
しかと悟られたようじゃ。
おう 十兵衛か。
(義昭)どうじゃ下りてきて 手合わせをしてくれぬか。→
こやつらでは 相手にならぬ。
は?
公方様 十兵衛殿は
弟 藤孝も舌を巻くほどの剣の使い手。
あまりお勧めはいたしませぬ。
それゆえ 太刀さばきを見てみたいのじゃ。
十兵衛 たっての所望ぞ。 下りてまいれ。
いえ その儀ばかりはご容赦を…。
それを十兵衛に渡せ。
(近習)はっ。
公方様のお望みじゃ。 お受けなされ。
十兵衛 参れ。
タ~ッ!
来~い!
(荒い息遣い)
死にとうない…その一心で 大和を出てまいった。
タァ~ッ!
私がもし将軍になれば 人を救える。
貧しい人々を…。
わ~っ!
美濃へ行く。 そなたを信じよう。
公方様 ここまでにいたしましょう。
もっとじゃ!
このままでは引き下がらぬぞ!
うわ~っ! うわ~っ うわ~っ!
ああ~っ!
さあ…。
うわ~っ!
我らにとって ここは夢の都であった。
その美しき都に戻さねばなりませぬ。
(義昭)自信はあるか?
ございます!
(荒い息遣い)
もう今日は ここまででよいではありませぬか?
さあ あちらへ参りましょう。
♪♪~
(熙子)白湯でも
お持ちいたしましょうか?
いや 何も要らん。