2020/12/21(月) 08:00〜08:15 【連続テレビ小説】おちょやん(16)「どこにも行きとうない」[解][字]
芝居を打つことになり→
巡業から戻ってきたんです。
あの時 お父さんを亡くした一平君。
えらい男前になりました。
皆様 開場までもう少しだけお待ちくださいませ~。
(拍手と歓声)
もう腹が減って ヨタヨタのヘロヘロじゃ。
その弁当 ちょっと くれ!
おっちゃん 弁当あげえな。
ケチ~!
(笑い声)
皆さん ご苦労はんだした。→
ボンやん お戻りやす。
ただいま。
何もあれへんのかよ!何や お前。
一平君は 道頓堀に来るたんび
岡安に居候しておりました。
(みつえ)一平君 お帰り!
あんな 面白い本があってん。
一平君 絶対気に入るわ。
後で見に来て。 それからな…。
(宗助)みつえ 着きはった早々
そない せっついたらあかん。
(みつえ)すんまへん。
(笑い声)
天晴さんは 辛口の燗。
ほんで 徳利さんは おビール。
千代ちゃん よう覚えてんなあ。
そら忘れられしまへん。
徳利やのに ビール好きて。
(天晴)ほんまやで。徳利名乗るんやったら 酒飲め。
そういう天晴さんこそ
天晴やのに雨男て どないですねんな。
誰が雨男やねん。
酔うたら いつも言うてはりますやん。
生まれた日ぃ 雨
初舞台も雨 婚礼の日ぃ 雨→
嫁はんと別れた日ぃ 台風。
ハハハ! どしゃ降りの人生ですやんか!
やかましわ もう! ほれほれ ほれほれ。
ああ~!
まあ まあ まあ!
(徳利)混じったやないですか!→
何をしはんのや もう。
(天晴)飲めや。替えさしてもらいます。
(徳利)替えて替えて。
(節子)千之助さん 何かあったんだすか?
先前な 鶴亀の熊田はんに言われたんや。
(熊田)我が鶴亀株式会社 社長大山鶴蔵からのお言葉です。
「須賀廼家万太郎一座には 鶴亀座にて
連日満員札止めを頂いております。→
久方ぶりの天海天海一座にも
えびす座での奮闘を期待します。→
ただし 客入りの具合によっては→
中日で千秋楽とすることも ありうる」。
芝居は わしの方が上じゃ…。
あかん。
どないしたんだす?
おい おちょやん…。へえ。
お前に喜劇の何が分かるっちゅうねん
ああ?
うち 何も言うてしまへん。
喜劇っちゅうのはな→
喜劇っちゅうのは…。
千さん 水。須賀廼家万太郎が なんぼのもんじゃ!
千さん 千さん!
落ち着いてください! 千さん!
(千之助)
おい 一平 お前や。 大体 お前がやな…。
ちゃうちゃうちゃう! 徳利 徳利!
(千之助)誰や! おい!千さん ちょっと…。
≪(騒ぐ声)
あっ…。(ハナ)だいぶ荒れてはりますな。
どこ行っても 万太郎の方が面白いて。
ほんで千さん ずっと あの調子や。
そら しゃあないわ。
今の万太郎一座と肩並べんのは→
そう たやすいこっちゃあれへん。
ボンやん。ええかげん 性根入れ替えんと→
一生 2代目 天海天海なんか
なられしまへんで。
また芸子遊び?
あ~… 何や 千代か。 脅かすな。
ご寮人さんから あんたのこと
見張っとき言われてるさかい。
雛乃と夕鷺が 俺 待ってんねん。
明日から興行やん。 せえだい気張って→
はよ天海天海の名ぁ継がな
あかんのとちゃうの?
万太郎一座に勝ちたいのやろ?
あほらし。 勝てるはずあれへんやん。
それより聞いたで。
お前のお父ちゃん 迎えに来たらしいな。
え…。
それでか。
何?
先前 何や うれしそうやったさかい。
悔しいわ。
さんざん恨んで やっと忘れてここで生きていくて決めた途端やのに。
また一緒に暮らそ言われたら