2020/12/24(木) 16:20〜16:35 【連続テレビ小説】純情きらり(143)「あなたがここにいる限り」[解][字]
お前が どう考えてるっつうんだ?
考えてますよ!
んでねえ。 ちっとも考えてねえ!
今 俺の絵に 群がってくる連中→
あの連中は 俺の絵に興味なんかねえんだ!
訳の分からねえ
今どきの時流に乗って→
俺の絵の値段が
たまたま 上がったはんで→
あいつら もうけるために
俺に 群がってくるだけだ。
杉 冬吾の署名さえ ついてれば→
描いてあるのが鍋だろうが ヤカンだろうが→
あいつらには 同じなんだ!
あの人達は あんたの事「天才だ」って 言っとるわ。
あんたの才能を認めとる
ありがたい人達だよ。
そうしゃべれば 俺が
あいつらのために→
絵を描くと思うから
そう しゃべるんだ。
何で お前には
その事が 分からねえんだ!?
お前は もう 絵の注文
取ってくるのは やめれ。
俺は 描きたいように描ぐはんで。
駄目です。
だって あんた ほっといたら→
私らの生活の事 ちっとも考えてくれとらんじゃん。→
私が 窓口になっとるからこそ→
あんたの絵が売れて家計が回っとるんだよ。
んだば もう少し
手加減してけれじゃ。
俺は もう 疲れた。 限界だはんで。
笛姉ちゃん。 冬吾さんの気持ちも分かってあげて。
いっくら 絵が好きでも→
自分の絵のよしあしも分からん人のために→
次々に 描かされるのは
芸術家として きついと思う。
絵のよしあしが分からん人?
ほうだよね。
世の中には 芸術の分からん
バカな人が いっぱい おるもんね。
桜子。 あんたは
私も その一人だと思っとるだら?
そんな事 思っとらんよ。
私は 私なりに ちょっとでも冬吾の役に立とうと思って→
がむしゃらに 頑張ってきたんだ。
だのに 何よ。冬吾。 あんただって そうだ。
あんたも 胸の中じゃ
思っとるだら?
「自分の絵の価値は
笛子には 分からん。→
何よりも 自分の事が分かるのは
桜子だ」って。
お姉ちゃん。
(冬吾)笛子。
知っとったよ。
あんたら 心の奥底では通じ合っとるもんね。
私の分からない 冬吾の心の中も→
桜子あんたには 分かっとるだら!?
♪♪~
≪大体 あんた私が冬吾と知り合う前から→
大の仲よしだったもんね。
私と冬吾 結婚するのもあんなに 賛成したのも→
大好きな冬吾と 家族になるのが
うれしかったからだら?
そんぐらいなら 何で あんたが
この人と結婚しなかったの!?
冬吾 あんただって そうだ。
2人とも いっそ そうしたらよかったじゃんね。お姉ちゃん。
お姉ちゃん。
いくら何でも 言い過ぎだよ。
そんな昔の話 言いださんでも。
昔の事じゃないよ。→
ちっとも 昔の事なんかじゃない!
私は 知っとる。
桜子。
私らが 去年 津軽に行く前に→
「Tに捧ぐ」っちゅう曲
書いとっただら?→
私には 分かっとる。
あれが 誰のために書いた曲か。
あの 「T」っちゅうのが
誰の事かもね。
♪♪~
今 持ってきてやるから。お姉ちゃん。
♪♪~
達彦さん…。
すみません。
何か 話 聞いてるうちに出ていきそびれちゃって…。
生きて…
帰っとられたんですか?
はい。 あの…。
ごめんなさい。 私 ちっとも知らなかったもんで…。
いえ。 あの… これ。
(ため息)
「T」。 「T」って
達彦さんの事だわよね?
あっ! 「T」って… ああ 徳治郎!