(織田信長)蘭奢待…。
今のわしは
蘭奢待を拝見できると思うか?
(明智十兵衛光秀)信長様のお考え
時に計りかねることがございます。
(三淵藤英)
その時にこそ どう付き従うか…→
そこが家臣の器。
家臣の器…。
♪♪~
これが 信長様の下されたご判断か。
(使者)一両日中に成敗が成されるよう
しかと見届けて参れと仰せつかりました。
一両日中に 三淵様に自害なされよと。
(使者)殿より さよう承っております。
相分かった!
その花は もう少しこちらに向けた方が映えると思うが…。
こうでしょうか?
(三淵)それでよい。→
よくできましたぞ。
母上に見せても よろしうございますか?
(三淵)うむ。
父上。
(たま)三淵様に教わりました。
きれいでございましょ?
うむ。
♪♪~
(三淵)岐阜城から
使者が参ったと聞きました。→
信長殿は 私を斬れと仰せられたかな?
三淵様は 紀州 由良に逃げておられる公方様と文を交わし→
信長様を討つ企てを進めておられる。
その証拠が信長様の手に…。
何故 さほどに信長様を敵視なされる?
十兵衛殿が信長殿を選んだように私は公方様を選んだ。
それだけのことだ。
私の家は 代々幕府に仕えてきた。
私は そこから一歩も外へ出ず
出る気もなかった。
よくも悪くも それだけだ。
弟の藤孝は とうに幕府を見限った。
その勇気が私にはない。
ここに参ってから 覚悟はしていた。
この庭の一間四方をお借りできれば
己の身は己で処する。
ご案じなさるな。
三淵様… 私が初めて堺へ行き→
鉄砲を買うために入った店で
初めてお会いして→
見事な立ち居振る舞いを拝見いたし→
おお これが将軍の奉公衆かと目が洗われる思いでございました。
(三淵)もう随分 昔の話じゃ。
そのお方に 死ねとは申せませぬ。
信長様に直訴いたします。
いま一度 お考え直し頂き→
死一等を減じて頂きとう…。
(三淵)その儀はお断りいたす。
生ある限り 信長殿につくことはない。
いわれなき情けをおかけ頂くことは武士の恥。
そこは おくみ取りの上
しかと処断して頂きたい。
負け惜しみかもしれぬが
捨てられる花にも→
一度は咲いてみせたという
誇りがあるように見える。
気のせいかな?
♪♪~
(風の音)
♪♪~
ふんっ!
♪♪~
天正2年 秋 明智光秀の軍は→
佐久間信盛 細川藤孝の軍勢と共に→
河内の国に攻め込んだ。
三好の一党と 一向一揆の連合軍を畿内から駆逐する戦であった。
(藤田伝吾)お帰りなされませ!→
河内の首尾はいかがでございました?
城は落としたが 三好康長は討ち漏らした。
また出直しじゃ。 信長様はどうだ?
(伝吾)
長島の一揆は ようやく取り鎮めた由。
おお それは吉報 また後で聞く。
(伝吾)実は 急ぎお耳に入れたきことが…。ん?
稲葉一鉄様のご家臣 斎藤利三殿が
奥でお待ちになっております。
斎藤利三?
美濃のあの利三か?はっ。
稲葉一鉄様のもとから
逃げてこられたと…。
逃げてきた!?
(稲葉一鉄)十兵衛 お主も しぶといのう。
フフフ…
ハハハハ… ハッハッハッハ!
ハッハッハッハッハ!
参れ。
面を上げられよ。
(斎藤利三)は!
そなたの噂は 時折 耳にしておる。
姉川での浅井との戦では立派な働きをしたと聞く。
長島一向宗との戦いも