2020/12/27(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「謎の感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う〜」[字]

人類を翻弄するかのように変異を繰り返し→
拡大を続ける新型コロナウイルス。
その「正体」は何なのか?
WHOは今 ウイルスの起源を探る
本格的な現地調査の準備を急いでいます。
狙いをつけているのは
中国南部にある→
ウイルスの
ホットスポット。
最初の感染報告から間もなく1年。
しかし 人類は今も ウイルスの発生時期や場所を特定できていません。
そこで 私たちは インターネットや
SNS上にある膨大なデータに加えて→
当局の内部資料などを独自に入手。
それをもとに 世界中の研究者たちとウイルスの起源について調査する→
プロジェクトを立ち上げました。
見えてきたのはパンデミックの始まりが→
これまで知られていたものと
大きく異なっていた可能性です。
ネット上で削除された文書を復元すると
公式の報告より前に→
ウイルスの正体を突き止めていたという
書き込みが…。
更に 遺伝情報の解析からも
ヒトへの感染が数か月早く始まり→
水面下で世界に広がっていた可能性が
見えてきました。
僅か1年で 感染者7,900万人以上→
170万人以上を死に追いやった新型ウイルス。
これ以上の拡大を食い止めるためにも


感染初期の実態を解明することが→
極めて重要だと 科学者たちは指摘します。
多くの謎に包まれた新型ウイルス。
その起源を巡る最新の調査報告です。
今から1年前の12月31日。
中国で異常事態が起き始めていました。
武漢市は 多くの肺炎が発生しその数は 27例に及んでいると→
ウェブサイトで公表。
その3日後 中国は WHOの求めに対し→
「原因不明の肺炎」が発生したことを
報告しました。
1月14日 WHOは→
「新型のコロナウイルス」であることを確認したと発表。
その後 日本で初の感染が確認されると→
アメリカ ヨーロッパと瞬く間に広がっていきます。
30日 ついにWHOは
緊急事態を宣言しました。
しかし
私たちが知るパンデミックの始まりが→
大きく異なっていたことを示す事実が
次々に明らかになっています。
フランスとイタリアで
最初に感染が確認されたのは→
1月24日と30日。
それ以前にウイルスが広がっていた証拠が見つかり始めているのです。
イタリアで感染症の研究をリードしてきた
国立衛生研究所。
ここでは ポリオなどの感染症の広がりを
調査するために→
常時 10か月分の下水サンプルを


保存しています。
下水からは 人間の便に含まれている
さまざまなウイルスを→
検出することができます。
イタリアで最初の患者が確認されたのは1月30日。
それよりも前にウイルスが
入り込んでいた可能性はないのか?
研究チームは下水のサンプルを
PCR検査にかけてみることにしました。
すると 驚きの結果が…。
1月24日に最初の感染が確認されたフランスでも…。
去年12月 原因不明の肺炎患者が
この病院に運び込まれていました。
当時 患者の鼻から採取したサンプルを
改めてPCR検査したところ→
新型ウイルスが含まれていることが
分かりました。
今回 その患者に
たどりつくことができました。
高熱と呼吸困難などの症状に陥り→
集中治療室で3日間 治療を受けていました。
家族の中で最初に症状が出たのは
妻のファティハさん。
職場で感染したのではないかと
考えています。
中国がWHOに異常事態を報告した
1月3日よりも前に感染が始まっていた→
イタリアとフランス。
では 最初の感染者が12月8日に発症したとされる→
中国はどうなのか?

中国国内の情報が限定される中取材班は→
インターネット上で入手できる
政府や医療機関の情報→
SNSの発信
スマホの位置情報などから→
感染拡大の実態に迫ることにしました。
まず 分析を行ったのは中国版ツイッター…
武漢がある湖北省で書き込まれた投稿。
去年12月から2か月遡って→
肺炎やせき 風邪 インフルエンザといった