2020/12/27(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「謎の感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う〜」[字]
言葉を抽出しました。
その数…
特にインフルエンザについては→
病院から人があふれるほどの流行を示す
投稿が相次いでいました。
そこで中国の研究論文に引用されていた→
武漢市の2つの病院のデータを分析。
すると 11月半ば インフルエンザのような
症状を示す患者が急増。
12月末には→
その前の年の9倍近くになっていたことが分かりました。
この大規模なインフルエンザの流行に
新型コロナが紛れていたのではないか?
中国・武漢の取材で→
去年11月に感染した可能性があるという女性を突き止めました。
女性は 今年1月に入って→
新型コロナによる肺炎だと診断されたといいます。
中国共産党の医療専門の機関誌からも→
11月に感染が広がっていた可能性が見つかりました。
武漢大学の宇伝華教授が
武漢の医療機関の電子カルテ→
4万7,000件を解析した情報が
ネット上に残っていたのです。
そこには 11月の14日と21日に→
新型コロナが疑われる例があったと記されていました。
新型コロナの患者は
インフルエンザの流行に→
どれだけ隠れていたのか。
テキサス大学の数理生物学者ローレン・マイヤーズ教授が解析しました。
注目したのは
武漢の疾病予防センターの論文です。
この研究では 12月末からの2週間→
インフルエンザのような症状を示した患者の喉から採取されたサンプルを検査。
インフルエンザと疑われた
26のサンプルのうち4つから→
新型コロナウイルスが
検出されていました。
マイヤーズ教授は この割合から→
武漢全体の初期の感染状況を導き出しました。
その結果 11月中旬から感染が広がり→
12月に入った時点で 感染者数は72人。
12月末には およそ1,500人が感染していた
という推計が出たのです。
11月には感染が広がっていた可能性が
見えてきた 新型コロナウイルス。
では 「最初に」ヒトへの感染が
始まったのは いつなのか?
ウイルスの「起源」が明らかになれば→
新型コロナの感染拡大をもとから断つ手だてを→
明らかにすることができます。
そこで今回活用したのが NHKが独自に開発した論文ビッグデータです。
これまでに新型コロナについて報告された
およそ8万本の論文の中に→
その日付を推定した研究が
複数存在していました。
論文を発表した研究者の一人→
遺伝学者のルーシー・ヴァン・ドープ教授です。
ドープさんが注目したのは→
新型コロナウイルスの遺伝情報の「僅かな違い」です。
ウイルスの内部には→
設計図となる遺伝情報「RNA」が納められています。
ウイルスは細胞に侵入すると
遺伝情報をコピーすることで増殖。
しかし この過程で時々
コピーミス 「変異」が起こります。
新型コロナは
今も変異を繰り返していますが→
このことが 起源をたどる
大きな手がかりになります。
ドープさんたちは 世界各地
7,000人以上の感染者から採取された→
ウイルスの遺伝情報を解析。
系統樹と呼ばれるウイルスの家系図を作り変異が起きる「頻度」を計算しました。
その結果は… 1か月に およそ1.9回。
この値を使って 家系図の時間を遡ります。
更に その先を推定すると
全てのウイルスの祖先が→
ヒトへ最初に感染した時期を
導き出すことができるのです。
最も早い日付は 「10月6日」。
ほかの研究でも ヒトに最初に感染した時期が推定されています。
最も早いのは
イタリアなどの論文の9月28日。
そして 複数の研究チームが
11月半ばまでに→
ヒトに感染していた可能性を
指摘していました。
これまでの取材によれば→
中国で感染が始まった可能性があるのは11月中旬。
早ければ その1か月以上前から
ヒトへの感染が始まっていた可能性が→
遺伝情報の解析から
浮かび上がってきたのです。
WHOで発生源の調査を率いる
ピーター・ベンエンバレク氏も→
こうした研究結果を支持しています。
では ヒトへの感染が始まった「場所」はどこなのか?
発生源を巡っては
この1年 国家の思惑などが絡み→
情報が錯そうしてきました。