2020/12/28(月) 16:35〜16:50 【連続テレビ小説】純情きらり(147)「夢にみた演奏会」[解][字]

♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
(西園寺)桜子君。 あなた自身の演奏会を開いてみませんか?
(桜子)えっ?
あなたが あなた自身の手で自分の作った作品を披露する→
松井桜子の演奏会を。
私 無理です。もう 指が回らんし。
練習をすれば
回るようになりますよ。
あなたのように
音楽を愛しながらも→
機会に恵まれなかった女性が→
この戦争を耐え抜いてきて今 ここに やっと来た。
それが 聴き手に伝わる事に
意味があるんです。
演奏会の準備は
僕に任せて下さい。
あなたは それまで 心静かに
ゆっくりと練習をしていて下さい。
お願いできますか?
はい…。
松井君も いいですか?
(達彦)是非 よろしくお願いします。
♪♪~
どうしよう…。「はい」って言っちゃった。
私だけの演奏会だよ。
何人もの人の前でピアノ弾くなんて。
それも 自分で作った曲。
そんな事 できるかな? 私に。
できるよ。


たった1年前 進駐軍のクラブであれだけの演奏をしたじゃないか。
絶対 大丈夫だって。
ほいだけどあの時は 1人じゃなかったで。
俺が応援する。
これはお前一人の夢じゃないんだ。
俺も 店のために 音楽を諦めて
戦争に行って→
ピアノから ずっと遠ざかっとった。
ほいでもな 心の中ではずっと ピアノが鳴っとった。
夢を追い続けたい気持ちが
どっかに あったんだ。
だから お前が夢をかなえて
みんなの前で ピアノを弾くとこを→
俺も見たいんだよ もう一度。
うん。
♪♪~
(マサ)<それから 桜子は演奏会に向け→
再び 本格的な
ピアノの練習を始めました>
♪♪~(音階練習)
<長い間 休んでいた音階練習から始め→
次第に
難度を上げていったのです>
♪♪~
<そして そのころ 有森家には→
笛子が 家族と共に
夏休みを過ごしにやって来ました>
(幸と加寿子の遊ぶ声)
(杏子)早いもんだね。
おじいちゃんが亡くなって


1年になるんだね。
(笛子)ピアノの前で
眠っとるみたいに亡くなっとった。
あの幸せそうな顔
今でも思い出すわ。
桜ちゃんが 演奏会やるだったら→
おじいちゃんにも聴かせてあげたかったわ。
今度の演奏会には 私も行くでね。
いいよ。わざわざ来るじゃ 大変でしょう。
夏が終わるまでは
どうせ こっちにおるもん。
あの人も こっちの方が
落ち着いて絵が描けるって言うし。
あの人 東京で「先生 先生」って
みこしに祭られとるのが→
嫌で しょんがないみたい。
ほでも展覧会 東京でやるんでしょう?
展覧会?
八州治さん 八重さん 和之さんそれと 亡くなった守田さんの→
絵を集めて
展覧会を開く事になったの。
八州治さん
どこの画壇からも追放されて→
さんざんな目に遭っとるから
助けてやろうって→
冬吾が言いだして。
そう。
でもね…→
展覧会を開く理由はもう一つあるの。
何?

亨のためなの。
(笛子)あの子の目
どんどん悪くなってるの。
「まるっきり見えんくなる日も
遠くないだろう」って→
病院で言われた。→
よく見えんせいなのかねえ。引っ込み思案で→
殻に閉じ籠もる子に
なっちゃって。→
一緒に遊べんから