2020/12/28(月) 22:50〜23:20 2020挑戦「再びリングに立つ日まで〜新型コロナと闘った世界王者〜」[字]
タイの
タノンサック・シムシー選手。
強打が武器で14戦無敗の強敵だ。
(拍手)
タノンサック選手が来日したのは10月7日。
感染拡大を防ぐため
2週間の隔離生活。
タノンサック選手も、また
異例の調整を強いられていた。
シャドーボクシングなど
1人でできる練習を
一日6時間繰り返してきたという。
隔離が明け、本格的な練習ができたのは少しの間だけ。
それでも
タイに残した家族のために負けるわけにはいかない。
タイの田舎で米農家を営む家族。
生活は決して裕福ではない>
<しかし、世界戦を
翌日に控えた11月2日。
思わぬ事態が待ち受けていた>
<両者、計量を一発でクリアし試合を待つのみとなった。
その6時間後のことだった>
<前日の検査では陰性。
この日も無症状だったが
検査でトレーナーとともに陽性が判明したのだ>
<まさかの世界戦中止。
資金集めを続けてきた深町さんはことばを失った>
<京口選手は、この日から
10日間の隔離生活となった。
京口選手と話ができたのは
9日後。
自分が感染したことで、世界戦を
中止にしてしまったという
責任の重さを感じていた>
<もうリングに立ちたくないというほど
京口選手は追い詰められていた。
世界戦の中止で
ジムは存続に関わりかねない
打撃を受けていた。
中止による損失は
3000万円ほどになる見込みだという。
さらに、京口選手の
感染が判明したことで
2週間の休業を
余儀なくされていた。
そんな中、深町さんは世界戦を
年内に開催できないかと道を探っていた>
<しかし、この日予約した
会場の収容人数は
およそ500人。
当初の4分の1の規模だ。
深町さんの思いは複雑だった>
≫お疲れさまです。
<11月12日。
京口選手が10日間の隔離生活を終えた。
練習を再開したのは
その4日後のことだった。
年末の開催が検討されている
世界戦に向け動き出した京口選手。
しかし、練習の合間
仲間に苦しい胸の内を明かしていた>
<練習を再開したものの
気持ちは、まだ前を向けていなかった。
その4日後。
再びジムを訪ねると京口選手の姿が見当たらない>
深町≫ジムを再開してからは
あれですよね。
≫1回…1回、この間
来させていただきました。
<深町さんによると
「気持ちが追いつかない」と練習を休んでいるという。
さらに、このころ
深町さんには、もう一つ気がかりなことがあった>
<新型コロナの第3波が
深刻になり
年末に計画していた
世界戦の開催が危ぶまれていた>
<京口選手は
1週間ほど休んだあと
練習に復帰した。
何があったのか明かしてくれた>
<苦しむ京口選手を
多くの人が支えていた。
京口選手の地元・大阪で
焼き肉店を営む庭瀬一夫さん。
京口選手が学生のころから
応援を続け
プライベートでも
連絡を取り合う間柄だ。
少しでも前向きな気持ちに
なってほしいと
庭瀬さんは肉を送っていた>
<さらに同じジムの谷口将隆選手も。
京口選手と同期で
一緒にせっさたくましてきた
ライバルでもあり親友でもある。
谷口選手は京口選手に毎日のように
メッセージを送っていた>
<年内の世界戦開催を信じて練習を続ける男がいた。
挑戦者のタノンサック選手だ。