2020/12/31(木) 01:08〜01:57 NHKスペシャル選 大アマゾン最後の秘境(2)ガリンペイロ黄金を求める男たち[SS][字]

♪♪~
法の力が及ばない密林の奥で→
社会からあぶれた男たちが穴を掘る。
輝ける黄金を掘り出し
しみったれた人生を変えるためだ。
彼らの名は ガリンペイロ。
ブラジルでは 凶暴な荒くれ者と恐れられているが→
密林に その姿を見た者は→
ほとんど 誰もいない。
♪♪~
最後の街を出てからもう5日が過ぎていた。
地図にもない川を 更に遡る。
小屋のような建物が見えてきた。
そこが
秘密の金鉱山の入り口だった。
ここには
100人ばかりのガリンペイロがいたが→
多くは すねに傷を持っていた。
一部の者の顔は 絶対に撮るな。
それが 取材の条件だった。
追われる者。
前科のある者。
どん詰まりの人生。
訳ありの男たちが
続々とやって来る。
法も道徳も通じない密林で
黄金探しに のめり込む。
ヤバイ ヤバイ ヤバイ!
ちょっと 撃つ 撃つぞ。
無法者のガリンペイロが


命懸けで穴を掘る。
アンタッチャブルな秘境。
アマゾンのずっと奥に それはあった。
滞在初日の事だった。
秘密の金鉱山の元締めとされる人物から→
ここで待っていろと命じられた。
男は ジャブ・デ・オーロ黄金の悪魔だと名乗った。
黄金尽くめの男は この一帯に
5つの金鉱山を持っている。
恐る恐る ガリンペイロの取材が
できないかと尋ねると→
男は否定も肯定もせず
こう言った。
「この場所を明かしたら
お前らの誰かが死ぬ事になる」。
黄金の悪魔に言われたのは
それだけだった。
私たちは
ここに小屋を与えられ→
彼の監視の下で
取材を行う事になった。
鉱山の内部の取材が許されたのは
数日後の事だった。
ガリンペイロが穴を掘る金鉱山は
密林の中にあるという。
誰に許しを得るのでもなく
勝手に森を切り開いた→
秘密の金鉱山だ。
この巨大な穴は20億円以上の金塊が出た金脈と→
同じ地層にあるという。


ガリンペイロは オーナーである黄金の悪魔にショバ代を払い→
ここで一獲千金を狙う。
話は伝わっているはずだったが→
私たちを見つけて
ガリンペイロが集まってきた。
何人かが取材を拒絶し
話が聞けたのは数人だけだった。
彼らの黄金の取り方は
至って 単純かつ豪快だ。
まず 黄金を含んだ地層を
高圧ホースで削り取る。
黄金を含んだ土砂は→
穴の中の水路を伝って1か所に集められる。
それを ホースで吸い上げるだけ。
金脈に当たっていればここに大量の黄金が流れ込む。
この日 密林の中で
ひそかに精製された黄金が→
ガリンペイロと黄金の悪魔で分配される。
5日分の黄金だ。
取り分は 黄金の悪魔が70%で
ガリンペイロが30%。
しかし 30%であっても
巨大な金塊が出れば→
巨額の富となる。
総額95万円。
ガリンペイロ 1人当たりの取り分は
5万円ほどだった。
一獲千金には 程遠い。
確かに この一帯は→
数十年に一度 アマゾンで起きる

ゴールドラッシュの舞台でもあった。
男たちは
万に一つの可能性にのめり込む。
最初の週末。
♪♪~
突如 酒盛りが始まった。
ふだんなら ここにはいない女たちもいる。
秘密の金鉱山が→
男と女が飲み 歌い 踊る酒場に変わっていた。
♪♪~